
「日教組をぶっ壊す」「成田空港反対闘争はごね得」「日本は内向きな単一民族」――こんなプッツン発言のオンパレードを繰り返し、辞任、そして政界引退へと追い込まれた中山成彬国交大臣には本当に驚かされた。
その口火を切ったのは9月25日。国交省の大臣室で、報道各社のインタビューを受けた中山氏の口から驚がくの発言が次々と飛び出し、担当記者たちは興奮しながら「やばいです。大臣、ブチ切れました!」と本社デスクに電話をかけたという。国交省クラブの担当記者がこう振り返る。
「一度に3つも問題発言しますかねぇ......。各方面に反響を聞かないといけなくなって、まず中山発言をテープ起こししながらメモにまとめたあと、日教組をカバーする教育担当や、成田空港を取材する地元の出先クラブ、そしてアイヌ団体を取材している札幌の職場にバンバン連絡とって、反響取材をお願いしました。下手したら、麻生内閣も早々に崩壊する火ダネでしたからね」
各方面に大反響を呼んだ中山発言だが、いまもその真意は明らかにされていない。そこで本誌が永田町で情報収集したところ、なんと、麻生内閣お墨付きともいわれかねないような、あるターゲットを狙った発言だった疑いが浮上してきたのだ。
「ねじれ国会に悩まされている自民党にとって、ライバルの民主党が多数を占める参議院は、目の敵。なかでも、民主参院会長の輿石東(こしいしあずま)こそ、ぶっ潰したいターゲットなんです。なぜって? かれこそは日教組出身のまさに日教組族ですから」(自民党文教族)