
事の発端である「麻生邸拝見リアリティツアー」とは、東京都渋谷区にある麻生首相の豪邸を見学し、そのような豪邸に住む人間が、貧困や格差問題を解決できるのか? を考えようという趣旨の集まり。先月26日に開催された「反戦と抵抗の祭り」のプレ企画として催されたものだ。インターネットなどで呼びかけが行われ、当日は約50人ほどが集まったが、集合場所である渋谷のハチ公前から、麻生邸へと移動を開始してまもなく、参加者3名が、東京都公安条例違反(無届けデモ)と公務執行妨害で逮捕された。
その後、その一部始終が撮影された動画がYouTube等に公開され(動画参照)、ネット上でも「届出をせずに、実質的にデモ行為をしているのだから逮捕は当然」「デモではない。逮捕はやりすぎ」など、賛否両論を巻き起こしている。
同シンポジウムでは、元警察官僚である国民新党代表代行・亀井静香議員と新党大地代表鈴木宗男議員、作家の雨宮処凛氏が世話人となって、逮捕された若者に当時の状況など聞きながら、この逮捕の妥当性やツアーの背景となったワーキングプアの問題などが語られた。
亀井氏は、当日撮影された現場での映像を見た後「最初に新聞で知ったときは、デモのほうが暴れ回ったのかなと思った。現場にいたわけでもないし、警察から詳細を聞いたわけではないけれど、映像を見てみたり、いろいろな人の話を聞いた限りでは、何で逮捕したのかな? という印象。逮捕しなければ暴徒化するほどの人数でもない。国民が、人前で自分の意思を表すのは当然の権利。鈴木さんに聞いた後、警視総監に『事情を調べるように。こういうことをしていては都民から支持されなくなるぞ』と電話をしました。逮捕され12日間も勾留された人たちに対しては、警察のOBとして責任を感じているし、申し訳なくも思う。現場にもそれなりの言い分はあるのだろうけど、自分は何のためにこの仕事をしているのか、現場の指揮官も考えて欲しい」と語った。