ホンダの広告費が、なぜか非常に大きい。2007年度のホンダの宣伝広告費は913億円で、トヨタと松下電器【※現パナソニック】に次いで国内第3位である(電通広告年鑑'08-'09)。業績に裏打ちされているのなら問題ないが、ホンダの乗用車の販売台数は軽自動車を含めても、トヨタの3分の1にすぎない。しかし、ホンダの広告費は、トヨタの1083億円に対して84%にも達する。
同様に軽自動車の販売を取り扱い、年間の販売台数がほぼ同じの日産と比較してみると、乗用車の販売台数が約60万台のホンダに対して、日産は約67万台。日産の方が販売台数は一割ほど多いが、投じている広告費は396億円。ホンダの半分以下にすぎない。
ホンダの広告費が過大なのは、販売実数との比較で見るとはっきりする。販売1台あたりの広告コストが、トヨタが約7万円、6万円を切る日産に対して、ホンダは15万円を超える。ホンダの広告費コストは他社の2倍以上かかっているのである。なぜ、ホンダの広告費はこれほど多いのか?
これがホンダの敗因だ。見込める売り上げに対して、広告費が端から多すぎるのである。
だが、ホンダの広告費が、かつてから割高だった訳ではない。