佐藤優が分析する「インテリジェンスと陰謀論」の境界線(後編)

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●核心にアクセスできない二級エリートたちの罪

──では、「物語」の作り手に、共通した特徴があるとすれば、それはなんでしょうか?

佐藤 一概には言えませんが、"二級のエリート"に多いのではないか、という気はしています。ものごとの舞台裏をある程度はうかがうことができるのだけど、核心情報にはアクセスできない。そこで真実を知って納得したいという欲求を満たすため、「こうであるはずだ」という結論へショートカットしてしまう。

──ショートカットというのはつまり、検証の省略ということですか?

佐藤 省略の場合もあれば、回避や怠慢の場合もあると思います。今の世の中、私たちの身の回りには、膨大な情報と知識があります。教育を受けているから、論理的な思考もできる。その気になれば、疑問点をひとつひとつ丁寧に詰めていくことはできるんです。ところが場合によっては、相当な時間がかかることがある。労力もかかるし、面倒くさくなる。そうすると、「自分が理解できない問題について、誰か専門家が簡単明瞭に説明してくれるだろう」という順応の気構えができてしまうんです。そういうところに、陰謀論の付け入る隙がある。

──情報化が進んでも、陰謀論の勢いが衰えないわけですね。

佐藤 それと、陰謀論が勢いを増すのは、やはり社会が不安に覆われる時なんです。

 不安を突き詰めていくと「死」に行き当たります。そしてそれは、必ずしも個人の死だけを意味するわけではない。経済システムは、景気循環を繰り返しているように思えますが、たまに急停止することがあります。私たちは普段、気にしていないけれども、カネと商品には非対称性があるんです。一定のカネがあれば、それでいつでも商品を買うことはできるけれども、商品がいつもカネになるとは限りませんよね。不況になると、人はこのことに気づき、不安に襲われる。なぜならば行き着く先に、恐慌という"経済システムの死"が見えるからです。


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2009年3月18日の社会記事

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