"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』

"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』
ホラー映画の巨匠・黒沢清監督が本人役で登場する『オカルト』。映画製作の合間に考古学の研究をしている黒沢監督は、白石ディレクター(写真中央)らに古代文字の秘密を解き明かす。(c)CREATIVE AXA Co.,Ltd.2009

 人間が吐き出した、嫉妬、恨み、怒り、悲嘆、中傷......といった廃棄物でできたドロドロのスープの中に、たった一滴だけ真実のエッセンスを垂らすと、やがて化学反応が起き、新しい都市伝説が生まれる。白石晃士監督は都市伝説を題材にした『口裂け女』(07)をはじめ、良識ある大人たちが眉をひそめるホラー映画を次々と撮り上げている注目の存在だ。現在、渋谷ユーロスペースで『オカルト』、キネカ大森で『テケテケ』『テケテケ2』と、都内で新作3本が一挙に公開されるという珍しい状況になっている。

『オカルト』はフェイク・ドキュメンタリーという形式の中に、心霊写真、UFO、ポルターガイスト、古代遺跡の謎といった雑誌「ムー」でおなじみ超常現象が咲き乱れている怪作。『テケテケ』『テケテケ2』は日本最古の都市伝説と称される上半身だけの幽霊"テケテケ"の噂に怯える女子高生たちの物語。どの作品も白石監督が得意とするフェイク・ドキュメンタリーで培った細かい日常の描写を積み重ねることで、不気味なリアリズムが漂う。

 とりわけ『オカルト』は先述の超常現象に加え、ネットカフェ難民、派遣労働、通り魔殺人という社会問題が組み込まれた厄介な作品だ。白石監督自身が犯罪ドキュメンタリーを取材中の白石ディレクターとして作中に登場し、天の啓示を受けたと訴える男性フリーターが巻き起こす悲喜劇をカメラで追い掛ける。途中、黒沢清監督や漫画家の渡辺ペコらがやはり本人役で現われ、観客は白石ディレクターと共に現実と虚構の隙間にできた迷宮世界へと吸い込まれていく。

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