講談社、新型インフル本回収の裏でささやかれるゴーストライターの存在

講談社、新型インフル本回収の裏でささやかれるゴーストライターの存在
実際のオークション画面

 厚生労働省医系技官である村重直子氏著書として、講談社から1月7日に出版された『新型インフル禍の真犯人 告発! 死の官僚』が緊急回収された。厚生労働省の新型インフルエンザ対策への不手際を、実名で告白した村重氏の初の著書ということで、「サンデー毎日」(毎日新聞社)や「FRIDAY」(講談社)でも注目された一冊だったが、発売わずか2日後で回収となった。講談社の公式サイトではその事情を次のように発表した。

「新型インフルエンザの実態を国民にできるだけ早く伝えるため、緊急出版することにし、そのため厚生労働省医系技官の著者・村重直子氏からお話をおうかがいしたうえで、文章を編集部でまとめることにいたしました。しかしながら、編集業務を急ぐあまりに、事実関係の確認が十分でなく、医学的に不正確で、誤った表記が多数あり、結果として、村重氏の著書としては、タイトルもふくめて本意と違うものになってしまいました。著者の村重氏と話し合い、同書を可及的速やかに回収するという結論にいたりました。また同書は村重氏の書いたものでないため、同氏に内容上の責任はありません」

 今回は回収となったが、村重氏は、2月末までに講談社から新たに書き下ろしの著書を刊行し、本の購入者にはその新著と無償で交換するという。疑問が残る回収騒ぎだが、なぜこのような事態となったのか? ある出版社の書籍編集者は次のように明かした。

「著者が村重氏となっていますが、明らかに今回のケースは、村重氏が書いたものではなく、インタビューを元にゴーストライターが書き起こしたものでしょう。そのような口述筆記の形式で本が出版されるのは、出版界では至極当然ですが、通常は取材対象が一度ゲラを確認する"原稿チェック"があります。ですが、今回は新型インフルエンザが話題になっている間に一刻も早く出版するために、それもスルーしたんでしょうね。12月中旬以降、インフルエンザの受診者も大幅に減少していますし。それにしても、校正者レベルでも見抜けそうな表記のミスもあるまま刊行してしまったのは、天下の講談社にしては、非常にお粗末ですね」

 1,500円(税抜き)で発売された『新型インフル禍の真犯人 告発! 死の官僚』だが、回収と同時にネット書店での取り扱いは終了し、Yahoo!オークションでは2万円以上の価格で取引された。新たに村重氏が書き下ろす著書がどれほどの売れ行きとなるのか、注目だ。



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2010年1月13日の社会記事

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