この夏に予定されている参議院選挙に民主党比例区からの出馬が内定していた元格闘家・前田日明氏が、出馬を辞退することが正式に決まった。

 前田氏は、昨年末に民主党が発表した公認内定候補者として名前が上がっていたが、3月3日発表の第1次公認候補に入らなかったことから、「最終段階に入って、政策面などで折り合いがついていないのではないか」などと憶測が流れていた。

だが今回、前田氏に話を聞くと、「最終段階」まで行き着くこともなかったようだ。

「当初、民主党の公認候補になるにあたっては、選挙も素人で、資金面も潤沢ではない自分に対して、党が人材面も資金面も全面的にサポートしてくれるという話だった。ところがその後、党からは具体的にどうサポートしてくれるのかという話はなく、窓口になってくれた事務局幹部は『大丈夫だから』と、抽象的な言葉を繰り返すばかり。そんな状態で、年末に公認内定を一方的に発表されたかと思ったら、ふたを開けてみると、基本的には『(前田氏に)丸投げ』という状態だった」(前田氏)

 この間、前田氏の前に出てくる人間によって、言うことが変わり、党内で情報統制が取れていないことが伝わってきたという。さらに、出馬条件について具体的な話が石井一党選挙対策委員長や小沢一郎幹事長まで上がっていなかったようだ。そんな中、選挙に必要な「カネ・ヒト・モノ」について、前田氏が必要とする支援を受けることができないことがはっきりし、出馬辞退を決断したという。

「外国人参政権の問題など、小沢さんの方針と合わない部分もあったけど、そうした政策議論をする以前の問題だった。約束も守れず、最低限の連絡や報告すらできない民主党に対しては、怒るというよりも呆れてしまった。まとまりのない幼稚な組織という印象ですよ」(同)

 民主党といえば、23日も、小沢幹事長を批判した生方幸夫副幹事長の解任方針を撤回するなど、チグハグぶりが目立っているが、そうした脆弱な組織の体質が今回も露呈したといっていいだろう。

 前田氏は、24日午後に会見を開き、出馬辞退に至る詳細を発表する予定だ。



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