なぜか、豚ブームなのだろうか。

 バラエティーや情報番組で、このところ、子豚(ミニブタ)を出演させる番組が増えている。

 まず思い浮かぶのが、『めちゃイケ』(フジテレビ系)で「幸子の寝室」というコーナーに出演し、ゲストの悩み相談に答える"豚の幸子"。セットにたたずむ豚に、ナイナイ岡村による絶妙な吹き替えの可笑しさで人気だ。この子豚、もともとは2009年春に放送された同番組の企画、「日本一周景気回復の旅」で、SMAP中居と一緒に登場し、好評だったことがきっかけでコーナー化された。同年夏のフジテレビイベント「めちゃ畑牧場」にも参加している。

 今年4月からスタートしたNHKの朝の情報番組『あさイチ』にも、同じく子豚がレギュラー扱いのマスコットとして登場。スタジオの一角で愛嬌をふりまいている。

番組内で名前が公募され、結局当初から仮の愛称として呼ばれていた"ぶーちゃん"が一番票を集める結果となった。

 また、テレビ神奈川の音楽情報番組『SONICMANIA』には、その名も"右とん平"という名のミニブタが登場。『めちゃイケ』の幸子よりも早くから、吹き替えのブタとのシュールなやり取りを繰り広げている。

 身近な存在の動物としては、イヌやネコはいうまでもなく、『天才! 志村どうぶつ園』(日本テレビ系)でおなじみのチンパンジーのパン君などいろいろあるわけだが、なぜブタなのか。あるテレビ関係者は言う。

「キャラクター性がついた動物というのがハマったときの好感度は、昔からすごいですよね。

CMが多いですけど、アイフルのCMで大ブレイクしたチワワのくぅ~ちゃんとか、最近だとソフトバンクの"お父さん"犬とか。ミニブタは最近ペットショップなんかでも人気がありますよね。小さくて『カワイイ』と。飼いやすいということは、スタッフや出演者的にも扱いやすい動物といえますし。今は好感度が高い出演者がそろう番組の人気が高い傾向がありますし、新たな鉱脈になってますね」

 では実際のところ、ミニブタはテレビ出演に向いた動物なのだろうか。その生態や習性について、上野動物園で教えてもらったところ、

「そもそも『ミニブタ』という種類の動物はいないんですよ」

 とのこと。

ポットベリーという種など、複数のブタの子豚を指してそういう場合が多いそうで、それをふまえたうえで、

「ブタ自体は、非常におとなしくて飼いやすい動物なんですよ」

 と、説明してくれた。しかし、

「オスは、種類によっては発情にともなって非常に気性が荒くなることもありますし、いわゆる"オス臭"というものもあるんです。ですから、おそらくテレビに出演しているブタは、メスあるいは去勢されたものなんでしょうね」

 今後もテレビ番組やCMでミニブタが登場することも増えてくるかもしれないなか、悲しいことが、テレビブタ界に起こっていた。先の吹き替えブタの先駆けであるTVKの"右とん平"が、4月の放送から、ブタのマスクをかぶった人間、通称"豚人"に変わってしまったのである。その理由は、「経費節減」。なんでも、そのあおりで、動物タレント事務所に支払うブタのレンタル代金が払えなくなってしまったとのことである。

「いま、経費は本当に厳しいです。番組のキャラクターとして大事にしていたとは思うのですが、ここを削るしかない。苦渋の決断だったんでしょうね」(前出関係者)

 テレビ界を覆う不況の波が、こんなところにも影響していた。そこをどうにかする方法がないものか、幸子に相談してみたいところかもしれない。
(文=太田サトル/「サイゾー裏チャンネル」より)



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