サイゾーテレビで絶賛放送中の「ニコニコキングオブコメディ」では脱力感満載のゆる~いトークを繰り広げるキングオブコメディだが、彼らの真骨頂と言えばやはりコント。『キングオブコント2010』でもついに決勝進出を果たし、優勝候補の筆頭に挙げるファンや関係者も少なくない。

2010年4月に六本木俳優座劇場で行われた単独ライブ『葉桜』では、チケットが完売しプラチナ化したとの噂も。そんななか、あくまでもマイペースに見えるふたりに「コント日本一」への決意と、9月22日発売の最新DVD『葉桜』の見どころや製作の裏話を聞いた。

──まずは、『キングオブコント』決勝進出おめでとうございます。発表の瞬間はどんなお気持ちで?

今野 地獄だ、と......。

──え?

今野 地獄です、地獄。地獄ですよ。

高橋 本当に、発表の瞬間コイツは「地獄だ」って言ってましたよ。3,000組も出て、みんな決勝を目指して来てるのに。

今野 違うんですよ。

──違うんですか?

今野 高橋が練習をしすぎるんです。準決勝も、入り時間から本番まで7~8時間あったんですけど、その間ずっと練習してるんですよ。もう、ホントに地獄なんです。

高橋 練習は重要ですからね。練習してないと落ち着かないんです。

今野 でもやりすぎですよ。本番にはボロボロになってますからね。

高橋 そう。それで間違えるのはいつも俺なんだけど。

今野 そうなんですよ。冗談じゃないですよ。しかも準決勝はネタ1本で7時間ですからね。決勝はネタ2本ですよ。殺されますよ。

──優勝、期待してます。

高橋 はい、練習します。

今野 ギャア。


◆ネタ作りはデパートで


──普段ネタはどうやって作られるんですか?

高橋 某デパートのフリースペースで待ち合わせて、そのままそこで5~6時間かけてネタ作りをします。それを毎日のように。

──ネタを作る場所は聞いてないんですけど......。

高橋 場所は大事ですよ。デパートは夏は涼しくて蚊もでないし、冬は暖かいですから。もう10年くらい同じ場所でネタ作りをしてます。

今野 最近、あそこ冷房強いのな!

高橋 僕らくらいの常連になると冷房の出る角度も分かってきてるんで、ちょっとずつ場所をずらすんですよ。短い時間しかいないお客さんは涼しくていいかもしれないけど、こっちは長くいるんで。

今野 デパートは俺たちの稽古のことも考えて欲しいよっ!

──じゃあ、今回の単独ライブ『葉桜』のネタもそこで?

高橋 もちろん。ちなみに今度の「キングオブコント」用のネタもそこで考えてます。

しっかりそこで固めてから稽古場で練習するっていう。


◆高橋の無神経キャラは普段のまま!?


──今回のDVDに収録されている『映画館』のネタでは今野さんがツッコミで、高橋さんがボケと、いつもとは役割が逆になりますね。

高橋 単独のライブではよくやるパターンなんですけど、僕のほうが無神経な奴で、今野が不良の格好なのに妙に常識人のキャラをやるという。

今野 あれは普段の自分らに一番近いキャラです。

高橋 近くないよ! 俺、あんなに無神経じゃないだろっ。

今野 普段に近いです。

高橋 近くないって! うっとしい感じは分かるけど、さすがに映画館で大声で叫ぶとかしないよ!

今野 でも、やりかねないってスタッフ含めてみんな思ってます。

高橋 それは誤解です! 完全に!

──ははは。素の高橋さんがみられるわけですね。

高橋 だから違うって!

──DVDの見どころを教えてください。

今野 ネタの間に挿入した映像ネタ『世界のはじめてさん』のザリガニに挟まれるシーン。あれは本当に痛かったです。

──今野さんの鼻毛をザリガニのハサミで切る企画ですね。映像を見ると事故のように痛がってましたけど?

高橋 まさか今野があんなに痛がるとは。

今野 俺、正真正銘のSなんで勘弁して欲しいっす。

──Mの人でもザリガニに鼻毛は切らせないと思います。

高橋 ちなみにあの撮影で使ったザリガニって食用なんですよ。通常はアロアナの餌にするやつらしいんですけど、食用だったら食べられるだろうと思って実際に料理して食べたんですよ。

──はぁ。

今野 普通、ザリガニ食べます?

高橋 美味しいんだって! だけど、いっぺんに食べられないからしばらく飼ってたんですけど、そのうちに愛着がわいてきて未だに2匹飼ってますよ。あ、一昨日一匹死んじゃったんだ。

今野 やっと死んだか。

高橋 なんてこと言うんだよ!

──そりゃあ今野さんからすると、自分の鼻や乳首を切り取ろうとした敵ですからね。

今野 あんな奴ら死ねですよ!

高橋 でも、お前んちの方角に向かってハサミをガチガチさせながら死んでったぞ。

きっと呪ってるんじゃないか?

今野 そんなの意識して死ぬわけないだろ。

──最後に日刊サイゾーユーザーにメッセージをお願いします。

今野 本編はもちろん、特典には3回目の単独ライブのネタも入っていてお得だと思います。

高橋 あと、『その後のはじめてさん』としてザリガニを食べるシーンも入ってますよ。

──ネタはもちろん、映像シーンも見どころが多いですよね。

高橋 ちなみに映像ロケは全て僕の友達の力を借りてます。カメラマンもロケ地も全て。

今野 うん。だから俺は完全にアウェーな気持ちでやってます。

高橋 そうじゃないだろ! みんな仲間だって!

今野 う~ん。なんか高橋の友達って西遊記一行みたいで、ちょっと人間らしさがないんですよね。サルがいたり、カッパがいたり、太っちょがいたり......。

高橋 お前が言うなよ!
(取材・文=高畠正人/写真=吉岡教雄)


●キングオブコメディ
高橋健一(1971年東京都出身)、今野浩喜(1978年埼玉県出身)からなるお笑いコンビ。プロダクション人力舎が運営するスクールJCAの同期生。2000年にコンビ結成。05年に第3回お笑いホープ大賞を受賞、「爆笑レッドカーペット」、「白黒アンジャッシュ」などのバラエティ番組で活躍中。単独ライブはチケットの入手が困難なほど人気を集める。
「キングオブコント2010」決勝進出。
サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にてトーク番組『ニコニコキングオブコメディ』(隔週木曜)出演中。



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