『爆笑問題のツーショット』に見る、太田光の"3種類のボケ"とは?

 毒舌ボケとは、ちょっとした批判や皮肉が交じったボケ方のこと。これは、爆笑問題の漫才の特色として、世間にもよく知られているところだ。太田は、ときに大胆に世相に斬り込んで、悪口すれすれの危ないジョークをかます。毒舌ボケが発動されると、田中はそれに激しく反応し、強烈なツッコミで対抗しようとする。シンプルボケが続く中で不意に毒舌ボケが挟まれることで、緊張感が高まり、大きな笑いが起こる。シンプルボケをジャブだとすれば、毒舌ボケはストレートやフックにあたる。決め技として通用する威力のある一撃だ。

 最後に、爆笑問題の漫才を語る上で忘れてはならないのが、ナンセンスボケである。ナンセンスボケとは、意味不明で不可思議なギャグのこと。どちらかというと、太田は「毒舌ボケ」の芸人だというイメージが強い。だが、実はナンセンスボケこそが、彼らの漫才の隠し味になっているのだ。

 ナンセンスボケの世界に入るとき、太田のしゃべりは急加速する。田中の話に口を挟むだけという関係性を捨てて、このときだけは太田が前面に出てくる。意味不明な設定にどんどん意味のない内容を付け足して、ナンセンスの世界を広げて笑いを増幅させていく。田中は何とかそれに食らいつきながら、ナンセンスの暴走を阻止しようとする。ナンセンスボケこそは、彼らの最終兵器。最もスリリングで、最も大きな笑いが起こるパートだ。ボクシングでいえば、ぐらついた相手にKOを狙ってパンチをたたみかけるラッシュにあたるだろう。

 このように、爆笑問題の漫才ではボケが三層構造になっているので、見る者は心地よい緊張感を保ったまま、彼らの作り出す笑いの世界に身をゆだねることができる。3種類のボケによる多彩なコンビネーションが、彼らの漫才を奥深いものにしているのだ。
(文=お笑い評論家・ラリー遠田)



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