堀北真希&高良健吾主演作『白夜行』闇に生きる"影男"の密やかなる喜び
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堀北真希、高良健吾主演で映画化された『白夜行』。『ALWAYS三丁目の夕日』(05)で人気を博した堀北にとっては、初の悪女役となる。(c)2011映画「白夜行」製作委員会

 人気ミステリー作家・東野圭吾が1999年に刊行した代表作『白夜行』(集英社)が堀北真希、高良健吾の主演で映画化された。80年、密室状態の廃ビルで起きた質屋の店主殺しを振り出しに、被害者の息子・亮司と容疑者の娘・雪穂の2人が暗い過去を引きずりながらも成長し、バブル前夜からバブル崩壊後の80~90年代をサバイブする物語だ。生き抜くために"悪女"に徹することを自分に課した雪穂をヒロインとする犯罪サスペンスであるのと同時に、彼女の素顔を唯一知る亮司の常軌を逸した献身的な行動を追った哀しいラブストーリーでもある。06年に山田孝之&綾瀬はるか主演で放映された連続ドラマ版『白夜行』(TBS系)は、視聴者が感情移入しやすいように亮司と雪穂が互いに感情を吐露し合う人間臭い側面が脚色されていたが、今回の映画版は原作本来の世界観にかなり忠実。雪穂と亮司の感情的な部分は極力排した、日本では珍しいハードボイルドタッチの作品に仕上げてある。堀北真希と高良健吾は、感情をあらわにせずに複雑な内面を表現するという難易度の高い演技に挑んだ。

 『白夜行』のヒロイン・雪穂は、ある意味で天才的な女優だ。ビンボーな母子家庭に生まれた雪穂だが、誰もが振り向く美貌と常に一歩先を読む明晰な頭脳をフル活用して、周囲の人間の心を巧みにコントロールしてしまう。男も女も、雪穂の清純そうな顔立ちと忌まわしい過去にめげずに明るく振る舞う健気さにほだされてしまう。質屋殺しの容疑を掛けられた母親が不可解な死を遂げた後、雪穂は遠縁の女性の養女となり、茶道・華道をたしなみながらお嬢さま学校に通い、美少女ぶりに磨きを掛ける。有名大学に入学後は社交ダンス部の人気者となり、お金持ちの御曹司とお近づきになる。ここぞというときには自分の体を武器にすることも厭わない。養母、親友、交際相手の前でも決して仮面を外すことのない、"究極の悪女"なのだ。もちろん、人前で常に演技を続ける雪穂のうさん臭さに勘づく人間も少数派ながらいるのだが、雪穂の前に立ち塞がろうとする人間は、不思議なことに事故に巻き込まれ退場を余儀なくされる。大学を卒業した雪穂は資産家の息子と結婚し、豊かな財源をバックにファッション業界という大舞台に進出。美しき"悪の花"を咲かせる。


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