"理想の恋人"という偶像を破壊せよ 深夜番長の劇場デビュー作『モテキ』
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テレビドラマ版と同じく、久保ミツロウ原作&大根仁監督&森山未來主演で
バージョンアップされた映画『モテキ』。
31歳になった藤本幸世は真実の愛をつかめるか?
(C)2011映画「モテキ」製作委員会

 Perfume、フジファブリック、くるり、スチャダラパー、岡村靖幸......、J-POPの新旧ヒット曲を散りばめた映画『モテキ』。近年の日本映画で、ここまで多幸感に溢れた作品はそうないだろう。2010年7月~10月にテレビ東京系でオンエアされ、大反響を呼んだ深夜ドラマ『モテキ』のヘタレな主人公・藤本幸世のその後の姿が劇場版で描かれる。原作者・久保ミツロウがオリジナルストーリーを書き下ろし、『週刊真木よう子』『湯けむりスナイパー』(ともにテレビ東京系)など伝説の深夜ドラマを生み出した"深夜番長"大根仁監督が劇場版ならではのエロシーンをがっつりと盛り込んだ。大根監督にとっては初の劇場公開作となる。テレビ版をにぎわした野波麻帆、満島ひかり、松本莉緒、菊地凛子に代わって、新たに長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子が登場。タイプの異なる4人の美女たちが、ヘタレな草食系男子に尊い愛のレッスンを施す。

 テレビ版では、気になる女子たちからメールや電話が相次ぎ、「ついにオレにも"モテ期"が来た!」と浮かれまくった29歳派遣社員・藤本幸世(森山未來)。4人の美女たちと超接近遭遇するも、自分からまるで行動しようとしない受け身な姿勢が原因で、結局は誰も選べずに独り身のまま最終回を迎えた。それから1年、無職状態が続いていた幸世だが、一念発起して就職活動を開始。知人である墨田(リリー・フランキー)のお情けで、ポップカルチャー専門ニュースサイト「natalie」の契約記者として働き始める。音楽好きな特性を活かせる仕事を見つけたことは元引きこもりの幸世にとっては大成長だが、当然ながら対人スキルがはなはだ低く、職場や取材先でポカばかり。現実逃避で始めたTwitterでサブカル雑誌「EYESCREAM」に勤める"殺人級の笑顔"を持つ松尾みゆき(長澤まさみ)と出会ったのを皮切りに、みゆきの親友の清楚なOL・枡元るみ子(麻生久美子)、初対面の幸世とひと晩を共にする小生意気なガールズバーの店員・愛(仲里依紗)、幸世をドSな言葉責めでいたぶる先輩記者の唐木素子(真木よう子)ら、これまでとはまた違ったタイプの美女たちとお近づきになる。セカンド・モテキの襲来かと喜ぶ幸世。男って学習能力が著しく低い動物であることを、しみじみと実感させる序盤である。


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