【シリーズ・震災遺体(中)】震災後約1年 今見つかるのは部分遺体ばかり

 だが、6月頃に大学病院のチームが去ると、再び警察から死体検案の仕事が小泉のもとに回ってきた。津波による遺体は、医師免許を持った者が死体検案を行って死因を解明した後でなければ火葬を行うことができない。それで再び小泉に任されたのだ。

 そこで目にした遺体は、震災発生時とは大きく異なっていた。小泉氏は次のように語る。

「震災の直後には多くの遺体が運ばれてきました。ただ、大半が傷ついてはおらず、きれいでした。窒息で亡くなっていたため、体に傷があまりなかったのです。しかし、夏以降に見つかった遺体は違います。がれきや海の底から発見されてくるので、かなり傷んでいるのです。腐敗が相当進んでいるケースもありました」

 海に流された遺体は魚に食われたり、ガスがたまったりして傷みが激しい。また、津波とともに流れてくる瓦礫に巻かれているうちにバラバラになってしまうこともある。夏を過ぎて発見されたのは、ほとんどがそういう遺体だったのだ。

 しかし、年末から年始にかけて見つかる遺体はさらに悪くなっているという。

「最近の遺体は、全部が残っていることは少ないです。特に海底から発見されるものはそうですね。部分遺体、つまり、手だけとか足だけ、あるいは頭だけという遺体が大半なのです。医師としては部分遺体も一体として死体検案を行わなくてはなりません。しかし、腐敗したそれだけを見ても、死因や性別がわかるはずもありません。発見場所を除けば死体検案書の内容はほとんど『不詳』と書いて提出するのです。あとはDNA鑑定に回されて、身元が明らかになるのを祈ることになります」

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