【シリーズ・震災遺体(中)】震災後約1年 今見つかるのは部分遺体ばかり

 しかし、部分遺体でも、稀に後で身元がわかることがあるという。昨年の夏頃のことだ。芝崎は部分遺体として運ばれてきた遺骨をまとめて並べていた。

 ある日、男性がやってきてそのうちの一つがDNA鑑定によって妻の遺体だとわかったと言った。だが、遺体は頭部と胴体が切り離されてしまっていて、残りの部分はまだ見つからないのだという。

 数日すると、また同じ男性がやってきた。そして、DNA鑑定によって残りの部分遺体も見つかったと言った。調べてみると、頭部の遺骨と、胴体の遺骨は隣同士に安置されていた。偶然隣り合わせになっていたのだ。

 男性は安堵した顔をして、頭部の遺骨と胴体の遺骨を両脇に抱えて帰っていこうとした。玄関で靴を履いていた時、男性は突然骨壺を抱えたまま崩れ落ち、妻の名前を叫んで号泣した。部分遺体が見つかったことに対する安堵と、妻を失った悔しさがこみ上げてきたのだろう。

 芝崎は言う。

「マスコミは部分遺体についてほとんど報じません。しかし、こうした悲しい出来事は今もずっとつづいているのです。そして、部分遺体は少しずつ増えているのです。おそらく最終的には百体を超す遺体が身元不明のまま残されるのではないでしょうか。お寺はそれを10年間預かる必要があるのですが、その後はどうなるかまったく決まっていません。その頃には人々の記憶から震災や犠牲者のことも忘れ去られているでしょう。また、遺骨が見つからず、骨壺に遺影だけを入れている人もいらっしゃいます。そうしたことが、少しずつ風化していくことがやりきれません」

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