「他者への憎悪は身を滅ぼす」内田樹が語る"呪いの時代"を生きる知恵

「他者への憎悪は身を滅ぼす」内田樹が語る"呪いの時代"を生きる知恵
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 炎上、祭り、バカ発見器......と、ネットの中では今日も他人を非難することに忙しい。他者への憎悪や嫉妬を撒き散らすこの風潮は、いまやネットの世界から現実の社会へと広がっている。しかし、そんな世相に対して疑問を呈するのが、思想家の内田樹だ。昨年上梓した『呪いの時代』(新潮社)では、他人に対する「呪いの言葉」を徹底的に批判する。いったい、「呪いの言葉」とは何なのか。そして、その言葉を退けるためにはどうすればいいのだろうか。現代社会を生き抜くための知恵を聞いた。

――まず、本書で示す「呪いの言葉」とはどのような概念でしょうか?

内田樹氏(以下、内田) 単独で「呪いの言葉」というと観念的になってしまうので、同じく本書で提示している「祝福の言葉」と対比したほうがわかりやすいと思います。「呪いの言葉」は、人を記号化したり、カテゴライズしたり、一面だけを切り取ってその人の全体を表してしまう言葉です。「反革命」とか「非国民」とか。本来は多様で複雑な人間の存在を、単純化し、記号化してしまう。例えば、ある作家について語るとき、その人の著書も読まずにインタビュー記事の一行だけをつかまえて、全人格を否定するような人がいますね。「あいつは所詮○○だ」と、ひとりの人間を言い切ってしまう。そういう切り方が現代では「スマート」と思われています。でも、それはスマートなのではなく、「呪い」をかけているだけなんです。

 「呪い」は強烈な破壊力を持っており、人の生命力を減衰させて、前向きな気持をなくさせます。そういった言葉を発する人は、他者が傷つくさまや評価が下がるのを見ることに快感を覚え、その感覚の虜になってしまいます。けれど、実は他者以上に自分の生命力も傷つけてしまっている。「呪い」は必ず自分にも跳ね返ってくるのです。


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2012年3月6日の社会記事

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