トヨタ自動車のCMで、ビートたけしと共演中のキムタクこと木村拓哉が、CM契約期間中に2度にわたるスピード違反摘発で免停を食らっていたという騒動。車のCMに出演中の人間にはあるまじき愚行にもかかわらず、スポンサーのトヨタがCM継続を決定したのは、世界的企業としては自殺行為に等しいと思わざるを得ない。
人の命を脅かす、スピード違反という行為をした人間に甘い態度を取る自動車メーカーを信用できるだろうか。スピード違反など誰でもやることだ、などとは切り捨てられない。短期間に2度も違反するということは、それ以上の回数、日常的に乱暴な運転をしていた可能性は高い。そうした点を聴取することもなくCM継続を決めたトヨタが、キムタクゆえの“特別扱い”をしたとしか思えない。
事件後、親しい芸能界の重鎮に会ったところ「CM継続はおかしい。キムタクだから許されるなんてことがあってはだめだよ。それに、キムタクのスピード違反のニュースを圧力をかけて潰して、ジャニーズ事務所に貸しをつくるという業界人がいることも情けない」と憤った。
一昨年9月、テレビ朝日系の人気ドラマ『臨場』シリーズの主演を務めていた内野聖陽の不倫と飲酒運転疑惑が写真誌に報じられた。内野は飲酒運転を否定したが、写真誌はすぐに飲酒運転の動かぬ証拠写真を掲載した。しかし、飲酒運転は現行犯でない限り逮捕はされていない。ところが、『臨場』のスポンサーが日産自動車だったことから、テレ朝は、『相棒』に次ぐ“ドル箱ドラマ”の『臨場3』をスタンバイしていたにもかかわらず、放送延期を決定した。