ドラマや映画の主演、それに舞台の座長を務める役者の責任は重大だ。簡単に代役がきかない彼らが問題を起こせば、作品自体が吹き飛ぶ。常に私生活に気を付けるという責任を背負わされているのだ。CM出演者は、企業のイメージを背負っているだけになおさらだ。
キムタクと共演しているビートたけしは、カーマニアとして知られているが、トヨタのCM期間中は「何か事故があったら困るから、ハンドルは握らない」と言っていた。これが、トップスターとしての当然の態度だろう。
そもそも、CM契約にはコンプライアンス条項が含まれているはず。法令を無視した行為をすれば、契約解除どころか違約金が発生するケースも少なくない。トヨタとキムタクの契約内容は不明だが、スピード違反という問題の重大さを社会に訴えるならば、トヨタは厳然たる処置を取るべきだったはず。しかし、トヨタはひよったのだ。
今さらながら、マスコミもマスコミだ。スポーツ紙はキムタクの事故をベタ記事扱い。テレビのワイドショーにいたっては、まったくの無視。一説にはジャニーズ事務所から圧力がかかったといわれている。過去、自社タレントのスキャンダルを潰してきた“前科”のあるジャニーズゆえ、それもあるかもしれない。しかし、前出の芸能界の重鎮は「今回は、芸能界の実力者といわれる某大手プロの幹部が圧力をかけた。彼はワイドショーも牛耳っているからね。そうして、ジャニーズに貸しをつくっているんだよ」と言う。