21日に発表された10月スタートのNHK朝の連続テレビ小説『純と愛』のキャスティングに、業界内外から疑問の声が噴出している。

「同ドラマの脚本を担当するのは、昨年、松嶋菜々子を主演に起用した『家政婦のミタ』(日本テレビ系)が最終回で40.0%を記録するなどしたヒットメーカーの脚本家・遊川和彦氏。

夏菜は2月の最終オーディションで10分間のカメラテストでの演技後、遊川氏から『君、シャットダウンだね』と言われたことを告白し、『もう遊川さんからボロクソに言われて、泣きそうになってボロボロになって東京に帰ったんです』と落選を覚悟していたことを明かした。だが、21日朝に最終テストと聞かされてNHK大阪放送局に呼ばれ、いきなりヒロイン抜てきを告げられてそのまま会見したというから、とんでもない喜びようだったようだ」(スポーツ紙デスク)

 とはいえ、NHK伝統の同ドラマシーズの2009年からのヒロインをたどると、多部未華子、倉科カナ、松下奈緒、瀧本美織、井上真央、尾野真千子、そして4月スタートの『梅ちゃん先生』は堀北真希とこれまでドラマや映画でそれなりの実績があり、演技力も評価されてきた女優陣が起用されてきた。

 それに対して、夏菜はこれといったドラマにも出演しておらず、話題になったのは昨年2作公開された映画『GANTZ』でのヌードシーンぐらい。あとは先日卒業が発表されたバラエティ番組『ピカルの定理』(フジテレビ系)のレギュラーや、初CMでありながらNHKが敬遠しそうな消費者金融「モビット」のCMが目立つが、それなりの強力なバックがあるというのだ。

「なんといっても大きいのが所属事務所で、芸能界のドンこと周防郁雄社長率いるバーニングプロダクション傘下のトヨタオフィス。同事務所はもともと矢田亜希子が看板だったが、矢田は前夫で、一緒に違法薬物を使用していた女性が死亡した件で実刑判決を受け収監された押尾学との交際・結婚でイメージダウン。

そこで、ポスト・矢田として当時高校生だった夏菜を売り出したがまったく売れず、事務所が傾きかけた。ところが、周防氏はバーニング本体の所属タレントもなかなか稼げなくなってきたため、夏菜を猛プッシュしたところ一気にブレーク。NHKといえば、かつて紅白担当のプロデューサーが制作費詐取で逮捕された“黒歴史”があるが、そのプロデューサーにべったりだったのが、周防氏の子飼いだった外部の人間。いくら体制が変わろうが、バーニングとの太いパイプは変わらない。そんな中で今回の結果だが、オーディションを受けたほかのプロダクション関係者は『最初から結果が決まっていたのでは』、『夏菜が選ばれたならうちは入る余地はなかった』などまるでデキレースであったかのような冷めた反応ですよ」(NHK関係者)

 ヒロイン・夏菜でどのぐらいの数字が取れるかに注目したい。


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