先頃、韓国の有力紙「中央日報」に「全盛期のK-POP、変種アイドルグループが続々出現」なる珍妙な記事が掲載された。

 記事中で主に触れられているのは、7日にソウルでショーケースを行ったCross Gene(クロスジーン)という男性グループ。

日本人1名、中国人2名、韓国人3名からなる6人組の日中韓ユニットだ。リーダーは唯一の日本人のTAKUYA(タクヤ)で、ジュノンスーパーボーイの経歴を持つ。ちなみに、所属事務所は日本のアミューズ。ご存じ、桑田佳祐や福山雅治らが所属する大手プロダクションだ。

 確かにメンバーに韓国人はいるし、過半数を占めているけれど、リーダーは日本人で所属事務所も日本のプロダクション。これってK-POPなのか!?

「クロスジーンは、ユニバーサルミュージックのアジア支社とアミューズによる共同プロジェクトなんです。

アミューズの韓国支社で彼らをトレーニングして、デビューステージも韓国で行いました。韓国でまず活動を始め、人気を得てから日本や中国などのアジア市場に進出する計画のようです。同支社のホン・ヒョンジョン代表は韓国の大手芸能事務所を渡り歩いてきた人物で、アイドルの育成に定評があります。我田引水のお国柄ですから中央日報はK-POPと報じていますが、正確にはアミューズがアジア市場の開拓のために、K-POPのノウハウにのっとった男性グループをデビューさせた、ということでしょう。まあ、要は“K-POPもどき”ですね(笑)」(芸能番組デスク)

 こうした多国籍ユニットは過去にも日韓混合バンドのY2Kがデビューしたことがあったが、結果は芳しいものではなかった。ネット掲示板などでも「こういう多国籍のユニットで成功した例はないだろ」「違法ダウンロードが横行している中韓で売れてもしょうがないだろw」などと、否定的な見方が相次いでいる。

「アミューズとしては本気でアジア進出に懸けているようですから、大手プロの力を背景に相当なゴリ押しをしてくると思いますよ。実際、デビューに先駆けて香港とマカオでは彼らの曲がCMソングに採用されていますし、日本でもTAKUYAとSHIN(韓国人)が出演したドラマ『RUN60』(毎日放送系)が放映。オープニングテーマも彼らの曲ですからね。正直、日本でそれほどブレイクするとは思えませんが、アミューズとしては韓国や中国など、ほかのアジア諸国で売れればいい、という戦略ではないでしょうか」(同)

 この期に及んでK-POPブームに便乗するのか! という“今さら感”がアリアリなのだが、さてアミューズのゴリ押しは吉と出るか、凶と出るか。中央日報の言葉を借りれば、こうした「変種のK-POPグループ」がデビューすること自体、ブームの末期的症状といえなくもないような気がするのだが……。