8月下旬、事務所や自宅ほか、関係各所を東京国税局に踏み込まれたGACKT。“泣きっ面に蜂”とはこのことで、それに前後して政治結社の街宣活動を受けたり、「週刊文春」(文藝春秋)に複数回にわたり、「義援金詐欺疑惑」「隠し子発覚」「釈由美子セフレ説」など、さまざまなスキャンダルを書き立てられたりと、ダメージを負うような事態が続いている。

 一連の騒動についてGACKTは、「正直、『なんだこれ??』と思うことが天こ盛りだ。笑えてしまうほど、悪意も感じる。よっぽど嫌われてるんだな。あははははは」(9月13日のブログより)と漏らしたが、本人に心当たりがあるように、実際に「嫌われるようなこと」は存在したようだ。GACKTが集中砲火を浴びた背景を、彼に近い関係者はこう語る。

「GACKTと、彼のマネジメント事務所社長である長谷川裕氏の危険な経営や人望のなさが大きな原因です。

彼らに不当に切られた現場スタッフも少なくないし、音楽活動においても、バンドメンバーへの処遇が悪かった。そうした人間が、メディアや当局に情報を提供しているのだと思います」

 一連のGACKTに関するスキャンダルの口火を切ったのは、当サイトでも報じた通り、日本テレビとGACKTの自宅および事務所に対して行われた政治結社「白皇社」の街宣活動だった(※記事参照)。実はこの街宣活動の背景にも、長谷川氏とその側近の“危険な言動”が関係していたようだ。

「長谷川氏の関連会社内の不正に関する情報を内部関係者から提供された政治結社の幹部は、長谷川氏の側近と面会するのですが、その時に側近の部下が『お前のところを潰す』とタンカを切ったそうです。幹部は喧嘩腰の長谷川サイドと衝突、“戦闘モード”に入ってしまい、さらなる情報収集を行い、GACKTおよび長谷川に対する“脱税”や“義援金詐欺”に関する糾弾活動が開始されたのです」(前出の関係者)

 この政治結社の動きを見て、国税も、証拠隠滅などに走られてはまずいと急遽査察に入った。さらに、その少し前には、長谷川社長の下で、不当な扱いを受けていた関係者の造反があったようなのだ。

「長谷川氏が事実上のオーナーを務めるスリーワイズという会社の雇われ社長だったA氏が、グループ会社内に湧いた義援金詐欺疑惑や不正融資疑惑を目の当たりにし、また“名ばかり”役員として、自身の立場が貶められているのに嫌気が差し、この夏に長谷川氏のもとを飛び出たんです。不正融資に対しても、事実上なんの権限もないA氏が連帯保証人となり、リスクをすべて背負わされる形になった。そのほか、スリーワイズが経営する六本木の寿司屋をめぐっても、不正会計が行われていたようなんです」

 このA氏はその後、国税の聴取や「週刊文春」への取材にも協力し、自身の見聞してきたGACKTや長谷川社長周辺のきな臭い動きを告白している。今回、A氏に話を聞くことができた。

「寿司屋の問題については、GACKTは直接関与はしていませんが、義援金については当事者のひとりです。3.11後に集めた義援金ですが、私は長谷川氏の側近から4億円近く集めたと聞きましたが、現時点で約2億円の寄付しか実施されていない。

明らかにおかしいと思いました。それに、義援金を集めた後の昨年5月くらいから、GACKTも長谷川氏も海外旅行に行ったり、高級品を購入したりと、それまでになかった贅沢を始めたんです」

 A氏は国税の聴取も受けている。そこで調査官は、具体的にどのような容疑ついて調べているかは口にしなかったが「長谷川もGACKTも持っていく(立件する)」と意気込みを見せていたという。

「国税には知っていることはすべて話しましたし、今後も聴取には協力していくつもりです。ただし、査察は十数箇所の関係先に入っており、押収した資料を分析するだけでも相当な時間がかかるようです。関係者の立件は、まだ先になるのではないでしょうか」(A氏)

 GACKTに関しては、彼が中心に結成するも、今年7月に解散したバンド「YELLOW FRIED CHICKENz」に関するトラブルもあったようだ。

ある音楽関係者が語る。

「LUNA SEAの真矢やRIZEの元メンバーのユーゾーなど、実績あるミュージシャンが参加していたバンドなのですが、大々的にブチ上げた欧州ツアーもうまく行かず、ギャラの支払いに関して、メンバーやスタッフから不満の声が出ていたと聞きました。GACKTや長谷川氏に対する不信感も募っていたようで、7月に解散せざるを得ない事態に追いやられたんです」

 さらに、GACKTの自宅兼事務所のあるビルに務めていたスタッフの中にも、彼らに恨みを持った形で退社した者がいて、釈由美子との関係など、GACKTのプライベート情報を週刊誌にもたらしたようだ。

 GACKTは9月25日、自身のブログで「僕は快楽の為に金は使わない。見栄を張るための金も使わない。自分にとって必要なこと、ここは使うべきと判断したらバッと使う」と語っているが、少なくともお金に潔癖であれば、マルサに目をつけられることなどなかったはず。

長谷川社長周辺の不穏な動きに巻き込まれた面もあるだろうが、一連のスキャンダル噴出が、自身の不甲斐なさに起因しているという謙虚さがなければ、今後も似たような騒動は起きてしまうかもしれない。