ここのところ、著名人によるタクシーでのトラブルが相次いでいる。

 11日には女優の松雪泰子の弟で歌手の松雪陽(本名:松雪陽平)容疑者が運転手を蹴り、骨盤骨折などの重傷を負わせた。

さらに13日には、元サッカー日本代表の前園真聖が運賃を支払わず、運転手に暴行(処分保留で釈放)。そして、16日には集英社社員で「週刊ヤングジャンプ」編集長の嶋智之容疑者が運転手を脅し運賃支払いを免れようとして、強盗容疑で緊急逮捕された。

「いずれも酒に酔っての犯行。いつも人に見られている芸能人は、密室のタクシーではリラックスして気を抜いてしまうんでしょうね。そこに酒が入って、傍若無人の振る舞いをしてしまうのでは。もちろん、そんなのただの甘えにすぎませんが」(スポーツ紙記者)

 確かに、芸能人のタクシーにまつわるトラブルは多い。2008年にはKAT-TUNの亀梨和也が酔ってタクシー運転手と口論になり、警察に事情を聴かれるトラブルを起こした。また、05年には、歌舞伎俳優の中村七之助が泥酔したままタクシーに乗り込み、運賃を支払わずに立ち去ろうとして逮捕。

「七之助の場合は、駆けつけた警官の顔を暴言を吐きながら殴りつけ、公務執行妨害の“オマケ”が付きましたからね。それでも2カ月の謹慎という大甘の処分。そういえば、お笑い芸人の“キム兄”こと木村祐一もタクシー運転手にかなりひどい対応をすると、元妻でタレントの辺見えみりがテレビ番組で明かしていましたね。木村のコワモテぶりが、離婚の原因の1つだったようです」(同)

 数ある芸能人の“タクシートラブル”でも極めつきなのが、故・横山やすしとその息子で俳優の木村一八の、親子二代にわたる狼藉ぶり。

やすしは1970年、タクシー運転手への傷害事件という“最初のトラブル”を起こす。さらに懲りずに、77年にはタクシー運転手に「昔でいえば駕籠かき雲助やないか」と暴言を吐いて侮辱罪で告訴されるなど、再びトラブルを起こしてしまう。

「最初の事件では3年にもわたる謹慎を余儀なくされ、二度目の事件では刑事事件としては不起訴になりましたが、民事訴訟で10万円の慰謝料の支払いが命じられました。その後、さまざまな不祥事を起こした横山さんでしたが、最初のタクシーでのトラブルがケチのつき始めだったといえるでしょう」(同)

 息子の一八になると、さらにひどい。88年にタクシー運転手への暴行により傷害容疑で逮捕。その際、運転手に脳挫傷の重症を負わせたというから、これはもはや凶悪犯罪といっていい。

「当時、人気俳優の1人だっただけに、事件の大きさに世間はショックを受けたものです。乗車拒否されて腹を立てたのが原因だったそうですが、暴行されたのは拒否した運転手ではなく、その後に拾ったタクシーの運転手。要は、八つ当たりだったという凶暴ぶり。さすがに芸能活動の自粛にとどまらず、少年院送致となりました。まあ、一八のケースは極端ですが、表に出ていないだけで、この手のトラブルはたくさんあるんだと思いますよ。報じられているのは、あくまでも“氷山の一角”でしょうね」(同)

 タクシーと酒――芸能人にとっては鬼門のようである。

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