ここのところ、著名人によるタクシーでのトラブルが相次いでいる。
11日には女優の松雪泰子の弟で歌手の松雪陽(本名:松雪陽平)容疑者が運転手を蹴り、骨盤骨折などの重傷を負わせた。
「いずれも酒に酔っての犯行。いつも人に見られている芸能人は、密室のタクシーではリラックスして気を抜いてしまうんでしょうね。そこに酒が入って、傍若無人の振る舞いをしてしまうのでは。もちろん、そんなのただの甘えにすぎませんが」(スポーツ紙記者)
確かに、芸能人のタクシーにまつわるトラブルは多い。2008年にはKAT-TUNの亀梨和也が酔ってタクシー運転手と口論になり、警察に事情を聴かれるトラブルを起こした。また、05年には、歌舞伎俳優の中村七之助が泥酔したままタクシーに乗り込み、運賃を支払わずに立ち去ろうとして逮捕。
「七之助の場合は、駆けつけた警官の顔を暴言を吐きながら殴りつけ、公務執行妨害の“オマケ”が付きましたからね。それでも2カ月の謹慎という大甘の処分。そういえば、お笑い芸人の“キム兄”こと木村祐一もタクシー運転手にかなりひどい対応をすると、元妻でタレントの辺見えみりがテレビ番組で明かしていましたね。木村のコワモテぶりが、離婚の原因の1つだったようです」(同)
数ある芸能人の“タクシートラブル”でも極めつきなのが、故・横山やすしとその息子で俳優の木村一八の、親子二代にわたる狼藉ぶり。
「最初の事件では3年にもわたる謹慎を余儀なくされ、二度目の事件では刑事事件としては不起訴になりましたが、民事訴訟で10万円の慰謝料の支払いが命じられました。その後、さまざまな不祥事を起こした横山さんでしたが、最初のタクシーでのトラブルがケチのつき始めだったといえるでしょう」(同)
息子の一八になると、さらにひどい。88年にタクシー運転手への暴行により傷害容疑で逮捕。その際、運転手に脳挫傷の重症を負わせたというから、これはもはや凶悪犯罪といっていい。
「当時、人気俳優の1人だっただけに、事件の大きさに世間はショックを受けたものです。乗車拒否されて腹を立てたのが原因だったそうですが、暴行されたのは拒否した運転手ではなく、その後に拾ったタクシーの運転手。要は、八つ当たりだったという凶暴ぶり。さすがに芸能活動の自粛にとどまらず、少年院送致となりました。まあ、一八のケースは極端ですが、表に出ていないだけで、この手のトラブルはたくさんあるんだと思いますよ。報じられているのは、あくまでも“氷山の一角”でしょうね」(同)
タクシーと酒――芸能人にとっては鬼門のようである。