昨年7月クールの『半沢直樹』のヒット以降、連続ドラマが惨敗続きのTBS。中でも、木曜夜9時台の「木曜ドラマ劇場」枠は、“大コケ枠”として定着しつつある。

 同作で放送中の関ジャニ∞大倉忠義主演『Dr.DMAT』は、ジャニーズの中でも演技派で知られる大倉が連ドラ初主演に挑むも、平均視聴率5%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と低迷が続いている。

 また、前クールで“研音ゴリ押しドラマ”などと揶揄された川口春奈主演『夫のカノジョ』は、3話以降、平均視聴率3%台を連発し、テレビ東京を除くプライム枠で、民放ドラマ史上“今世紀最低”を記録。予定話数を繰り上げ、打ち切りとなってしまった。

 さらに順にさかのぼり、仲里依紗主演『レジデント~5人の研修医』、Kis-My-Ft2藤ヶ谷太輔主演『ビギナーズ!』、同じく玉森裕太主演『ぴんとこな』、関ジャニ∞・錦戸亮主演『パパドル!』、伊藤淳史主演『あぽやん~走る国際空港』、松田翔太主演『潜入探偵トカゲ』と、すべて全話平均視聴率は1ケタだ。

「『木曜ドラマ劇場』枠は、最近は主にジャニーズの若手アイドル主演のドラマを放送していましたが、裏でテレビ朝日が『ドクターX~外科医・大門未知子~』や『DOCTORS 2~最強の名医~』など、視聴率20%超えの人気ドラマをぶつけていたため、視聴者は取られっぱなし。散々な状況が続いています」(芸能記者)

 そんな同枠の突破口となるべく、TBSが次クールに放送するのは、逢坂剛のハードボイルド小説「百舌」シリーズをドラマ化したWOWOW共同制作ドラマ『MOZU Season1 ~百舌の叫ぶ夜~』だ。

主演は、徹底した役作りで知られる実力派俳優・西島秀俊と、『半沢直樹』の“大和田常務”役が好評だった香川照之。さらに、映画『そして父になる』で、第37回日本アカデミー賞・優秀助演女優賞を受賞した真木よう子や、生瀬勝久、伊藤淳史、池松壮亮長谷川博己小日向文世と、主役級の大物俳優が名を連ねる。これが早くも、「キャストが豪華すぎる!」「TBSが本気だ!」と大きな話題を呼んでいる。

「TBSとWOWOWの共同制作ドラマは、同じく西島・香川のダブル主演で、2012年にスペシャルドラマ『ダブルフェイス』を2度にわたり放送。これは、日本民間放送連盟賞や、東京ドラマアウォード2013・グランプリを獲得するなど、高い評価を得ました。今度の『MOZU』も、制作会社・ロボットをはじめ、ほぼ同じスタッフで制作されるといいます。
今回、『木曜ドラマ劇場』という“死に枠”に、TBSは最も自信のあるコンテンツを当ててきた。同局の本気度がうかがえます」(同)

 一方、裏のテレ朝では、4月から直木賞作家・金城一紀が脚本を手掛け、小栗旬が主演を務める刑事ドラマ『BORDER』がスタート。こちらも、青木崇高遠藤憲一古田新太滝藤賢一野間口徹など実力派俳優を揃えているだけに、今春のこの時間は、TBSとテレ朝の“本気の”一騎打ちが見られそうだ。