“歩く録音男”の過去が次々と浮上して、業界を震撼させている。
所属の女性タレントに「業界で生きていけないようにしてやる」などと言い、100万円を脅し取ったとして4月上旬、警視庁に逮捕された元芸能プロ代表、下谷地卓也容疑者について、東京スポーツ紙は「芸能人を怯えさせた“歩く録音男”の正体と闇」と題した全4回の短期連載を掲載。
当サイトでもこの男について、今年2月にジャーナリスト、片岡亮氏が記者会見場で「亀田兄弟と業務提携しているケイダッシュの者だ」と名乗って威圧されたという記事(参照記事)を掲載。その際に下谷地容疑者本人から編集部に電話があったことも伝えたが、この件についての反響は大きく、さまざまな情報が飛び込んできていた。
ある芸能記者によると「超有名な女性歌手を取材したとき、“下谷地の名前を知っているか”と逆に聞かれた」という。
「うちのマネジャーがその男に会話を録音されてしまい、もしかするとトラブルに巻き込まれるかもしれないということだった」(同)
また、週刊誌の記者からは「下谷地の名前を聞いた途端、顔をこわばらせた女性タレントがいた」という話もあった。
「飲食店で自分が話した雑談がすべて録音されていて、別の所属事務所から移籍のオファーがあったことや、ほかのタレントの陰口が入っているから、表沙汰にされたらタレント人生が終わりだと泣いていた。下谷地容疑者にどういう形で関わっていたのかまでは、怖がって言わなかった」(同)
実際にこれらの話が事実かどうかは分からないが、東スポに掲載された、録音機を駆使して暗躍していたとする部分とは重なる。関係者の間で「歩く録音男」と呼ばれていたことは確かなようだ。
今回、女性タレントを脅した件についても、なんらかの録音が絡んでいるのかどうかは警視庁が発表していない。本件は下谷地容疑者が否認していることから、有罪となるかも分からないが、いずれにせよ、“歩く録音男”に業界人たちは戦々恐々したままだ。
業界内では「ウワサの余罪に関して、被害者が担当刑事に名乗り出ることがあるかもしれない」とささやかれる一方、「下谷地がまずい録音を持っている限り、泣き寝入りする被害者がほとんどなのではないか」と見る人も少なくない。
編集部に以前かけてきた下谷地容疑者の電話番号は現在、使われていない状態だが、もしまた電話があれば、これらの件について本人の反論を聞いてみたい。
(文=和田修二)