縁起がいい年に子どもを産みたい! 韓国女性の再就職を阻む、600年に一度の「黄金のブタ年」問題

縁起がいい年に子どもを産みたい! 韓国女性の再就職を阻む、600年に一度の「黄金のブタ年」問題
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 日本と韓国には意外な共通点がある。先進諸国に比べて、女性の地位が圧倒的に低いのだ。一番わかりやすい事例は、賃金格差だろう。経済協力開発機構(OECD)によると、男性の賃金を100とした場合、女性との格差は日本が28.7%で、韓国が38.9%。不名誉なことに、ワースト2位、1位を記録している。

 そんな現状を打破しようと、日本の安倍政権が女性の地位向上を盛んに訴えているのと同様に、韓国でも初の女性大統領が奮闘。パク・クネ大統領は、女性の雇用率が低い大企業を公開したり、中小企業に向けて女性雇用を促進したりと、指導を強化している。ただ、いまだに解決できていない問題も多い。

 特に2014年に顕著となったのは、結婚・妊娠した女性の再就職がかなわない“キャリア断絶”の問題だ。韓国統計庁の発表によると、 同年4月までの18~54歳の既婚女性数は956万1,000人。そのうち、出産や育児など家族のためにキャリアが断絶され、再就職できなかった女性の数は213万9,000人にも上り、既婚女性の22.4%を占めたという。

 その深刻なキャリア断絶の原因と考えられているのは、07年に浸透した「黄金のブタ年」の影響だ。

 昔から韓国でブタは縁起のいい動物といわれており、日本の十二支であるイノシシ年の代わりにブタ年が採用され、多くの人に愛されている。韓国の直近のブタ年は07年。しかも、その年は600年に一度しか訪れないという「黄金のブタ年」だった。縁起のいい年に子どもを産みたいとする女性が続出し、空前の結婚&出産ブームとなった。実際、05年に超少子化国家の基準を大きく下回る出生率1.08人を記録した韓国だったが、「黄金のブタ年」効果によって、07年の出生率は1.26人にまで回復した。
 
 それから7年がたった2014年。「黄金のブタ年」生まれの子どもたちが小学校に入学すると、育児から解放された女性たちが再就職を求めて企業に殺到した。その数は、前年比10%増とも。しかし、女性の雇用や働き方が社会ぐるみで解消されていなかったため、大量の「キャリア断絶」が生まれてしまったのである。韓国の少子化問題の回復に一役買った「黄金のブタ年」だったが、その弊害が最近になって表面化したというわけだ。

 そもそも韓国では就職内定率の男女比にほとんど差がないのだが、再就職となると、女性は男性の半分にも満たないという現実がある。そのため、子を産む行為は祝福を受けて当然のことなのだが、韓国では妊娠したことをギリギリまで隠す人まで存在するという。その結果、キャリアを断絶したくない女性たちが増えて、少子化も加速。悪循環が生まれてしまっているといえるだろう。

 韓国政府は「キャリア断絶」した女性の再雇用を促進しようと企業に働きかけているが、その効果があまり表れていないのが現実だ。女性の地位が低い日韓両国。両政府の施策の行く末を、ともに注目したい。

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2014年12月16日の社会記事

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