“元アウトローのカリスマ”こと瓜田純士が最近、携帯電話などのコミュニケーションツールを捨て去り、自宅に引きこもっているという。かつてストリートファイト東京No.1と呼ばれた男が、ストリートに出ず、いったい何をしているのか……? 心配した記者が瓜田の自宅を訪問すると、室内からは甘いカプチーノの香り。
瓜田は今年の7月に入籍した麗子夫人と共に、現在、新宿区内のマンションに住んでいる。その“愛の巣”にお邪魔して、インタビューを行った。
――最近は、どのような生活を?
瓜田純士(以下/純士) 用もないのに出歩くと無駄金を使うだけだから、外出は最小限に抑えてます。愛する妻の手料理もおいしいから、外食する気にもなれず、ほぼ引きこもり状態ですね。ヤマーン(麗子さんの愛称)も僕同様、ヒキオタニート状態です。
――いくら新婚とはいえ、家でずっと一緒にいると息が詰まりませんか?
瓜田麗子(以下/麗子) 全然そんなことないです。日に日に仲良くなってますね。
純士 確かに。僕もたまには外出しますけど、ほかのメスブタどもには目もくれず、なるべく早く妻の元へ帰りたいと思いますから、相思相愛の状態ですね。ちなみに僕は今、携帯電話を持ってませんから、妻以外の人間とは、ほとんど接触しない日々が続いてます。
――パチスロ店で瓜田さんをよく見る、という目撃情報もありますが。
純士 ペカリの高揚感が好きで、たまにジャグラーというパチスロをやりに行きますけど、ギャンブルにハマってるわけじゃない。僕の場合、勝っていようが負けていようが、パッと途中で帰れちゃうんですよ。引きの感触だけ見て帰れちゃうのは、勝ちにこだわっていないから。とはいえ、月トータルでは必ず勝ってますから、このまま続けていけば20年後には家が建つかもしれませんね。
――携帯電話を持たなくなった理由は?
純士 人と連絡を取るのが億劫になったというのがひとつ。2つ目の理由は、家庭を持った以上、もうかつてのように「何かあったときには、先輩の代わりに僕が体を張ります」みたいなことはできないので、人との連絡手段を断つことにしたんです。3つ目は、あとで詳しく話しますけど、マレーシアへの新婚旅行中の経験から、何かあったときに頼れるのは己の勘と度胸と行動力だけってことに気付いたので、それを研ぎ澄ますためにも、こんな文明の利器なんかに頼ってちゃダメだと思った。4つ目は、イスラム国がSNSなどを使ってネット上で巧みに勧誘しているらしいので、なんで俺らを脅かしてる連中と同じ土俵に上がんなくちゃいけないのかといういら立ちゆえ、ネットからは距離を置きたくなった。とにかく今どき携帯だのスマホだのを持つ奴や、今どき歯を入れてるような奴は、僕に言わせれば非国民ですね。
――そういえば、抜歯したんですよね。
純士 はい。
――なぜ抜歯を?
純士 もともとケンカで歯を折られたところや放置していた虫歯からバイ菌が入って、膿がたまっていたんですが、歯医者に通っては面倒になって行かなくなるの繰り返し。診察券がトランプできるくらい増えるばかりで、治療途中のままほったらかしだった。それに加えて、地下ファイトばっかに出てたせいで余計に歯がグチャグチャになってしまっていたんです。
――抜かずに治療することもできたのでは?
純士 それは僕のナルシシズムに合わない。「瓜田は歯が汚いから、写真を撮るときに口を開かない」とか「瓜田は歯がない」とかネットでウワサになったことがある。そんなこと言われるぐらいなら、全部潔く抜いちゃって、「もう何もないからゴメンね」と言ったほうが、僕には合ってるんです。
――抜歯後に入れ歯を入れるという選択肢は?
純士 なんですか、それ?
――歯がないとご飯を食べにくいのでは、と思いまして……。
純士 歯がなくなったら、歯茎を鍛えればいいだけのこと。慣れればなんでも食えますよ。とはいえ、オペのあと、麻酔が切れてから3日間ぐらいは死ぬかと思った。顔が腫れるわ、39度近い熱で倒れるわで、カボチャのポタージュすら飲めない状態でした。
――その間、食事は?
純士 缶コーヒーをストローですすってました。でも、今はなんの不自由もない。携帯も歯もなくなったけど、おかげで無駄もなくストレスもない生活を送っています。見切り千両、ってやつですよ。
――お酒も飲まなくなったようですし、生活が一変しましたね。
純士 はい、いつ死んでもいいというのがこれまでの僕のスタイルでしたけど、これからはハッキリと、こう言います。「ビバ長生き!」と。世界で一番長生きしてやります。
――その心は?
純士 ヨボヨボになりながらもゲートボールやったり、若い姉ちゃんのケツ追いかけ回したりしているジジイの「人間、簡単には死なねえよ」って言葉と、暴走族で無謀運転している若僧の「人間、簡単には死なねえよ」って言葉、どっちを信じます? ジジイの言葉でしょう。僕はそこを目指してるから、最近はもっぱら早起きだし、健康そのものです。虎視眈々と世界を視野に入れつつも、携帯も持たず情報も持たず誰とも会わず、妻とマンネリ化しないよう楽しみつつ、早く寝る毎日。この境地に早くたどり着けてよかった。
――夫婦円満のコツは?
純士 まず、ウソをつかないことですね。実は先日、ヤマーンに内緒でパチスロに行ったら、服がタバコ臭くなったせいか、「あれ? 今日もしかして私に内緒でパチスロ行った?」と聞かれたんです。「世界へ羽ばたく仕事のために虎視眈々」とか普段カッコつけたことを言ってる手前、パチスロに行ったとは言えなくて、「仕事関係で人に会ってた」とウソをついてごまかそうとしたんですが、次の瞬間、僕のパーカーのポケットから1枚のコインがチャリーンと落っこちたんです。
――ヤバいですね。
純士 ええ、そこで素直に謝ってればまだよかったんですが、「これは今日のコインじゃない、去年ポケットに紛れ込んだコインだと思う」とウソを塗り重ねたら、「そのパーカーは数日前に買った新品やろ!」と突っ込まれて、夫婦ゲンカに発展しました。だからウソはよくないなと思って、それ以降は正直に「これからペカリに行く」と言うようにしています。隠し事はトラブルの元ですよ。
――なるほど。
純士 あとは、夫婦ゲンカになりそうになったときには、野郎が先に謝ることですね。昔は「俺が右といえば右だ!」で通してきた僕ですけど、最近は10,000対1で僕が正しくても、ブン殴りたい気持ちをグッとこらえて、ひと呼吸置いてから、妻に謝るようにしています。怒りを引きずるのは時間の無駄。悔しくても「ゴメンね、俺も言いすぎた、勉強するよ」って言うと、相手も素直になってくれて、すぐ仲直りできる。
――奥様が目の前にいるのに、そこまで手の内を明かしちゃって大丈夫ですか?
純士 僕、普段からヤマーンにはそう言ってますから。「今、悪いと思ってないけど謝ったよ」と。そうすると、ヤマーンも関西人で気性の荒い女ですから、「なんやワレ!」とか言ってくるんですけど、小さな小さなみつばちハッチにチクッと刺された程度のことで、百獣の王ライオンがいちいち本気を出しますか? 僕からすれば、ライオンが昼寝をしながらヒュンと尻尾を振って、みつばちを追い払ってるような感覚です。
麗子 (笑)。まあ、私も意地っ張りですから、純士のほうから謝ってくれへんかったら、ケンカが終わらないのは事実です。でも自分から謝るなんて、昔の瓜田だったらありえないことですよね?
――確かに。お酒をやめたから、穏やかになったのでは?
純士 僕が怒る“瓜田タイム”は、酒の有無とは関係ないんですよ。飲んでなくても、怒るときは怒りますから。
――筋トレを続けているんですか?
純士 なんですか、それ?
――今年の夏にインタビューしたとき、ダンベルで体を鍛えると宣言していたじゃないですか。
純士 僕みたいな3時間坊主からすれば、あんなの一時のはやりですよ。これを1,000回やれば筋肉痛になって、翌日以降も続ければ筋肉がつくんだなってことがわかったら、「こんなのはバカのやるものだ」と思って、もうやらないんですよ。10代の頃からナチュラルパワーで、ナチュラルビューティーを貫いてます。
――ダイエットのため、甘いものを食べないよう心がけたりは?
純士 いや、甘いものは大好きで、よく食べますよ。新宿アルタの前においしいたい焼き屋があって、ヤマーンもその味が好きなので、僕がたまに街へ出て門限の夕方5時を回りそうになったときは、そこでお土産を買って帰って、家で一緒に食べてます。ただ、ギャルとかお上りさんとかがウジャウジャいるアルタ前で、革ジャン着てサングラスかけてあの店の行列に並んでる僕って、ものすごくみっともないんですよ。しかも、僕の順番が来ても呼んでくれないことが多い。
――お店の人から怖がられているんですかね?
純士 いや、目の前に帽子屋があって、僕はたい焼き屋の行列に並んでる最中にそっちの帽子を見たりもしてるから、「間違えて違う店の行列に並んじゃった人」と思われるみたい。
――この人がたい焼きなんか買うわけない、と。
純士 きっと、そう思われるんでしょうね。僕の番が来てるのに、店の人は次の人を見て「何にしますか?」って言うんですよ。「ここは帽子屋の列ではありません」と僕に言うと恥をかかせてしまい怒鳴られそうだから、あえて僕を無視することで、それを悟らせようとする。
――そんなとき、瓜田さんはどうするんですか?
純士 歯がないんで、大声を出すと空気が漏れちゃいますから、腕を組んだまま店員に顔を近づけて、「アンコ2つと、カスタード1つ」みたいなことをポツリと小声で言いますね。端から見たら完全に、隠語を使ったヤクの取引ですよ(笑)。
――それにしても、甘いものを食べても太らないのはうらやましい。
純士 僕は戦場のナルシシストであり、軍事ナルシシストでもありますからね。一歩外に出ればオーディションですから、どんな世界からいつオファーが来るかわからない。そんなとき、「行ってやってもいいぜ」と上から言いたい僕は、ルックスには常に気を使っています。
――夏にインタビューしたときは、「おしゃれ感とか、ファッション性とかは、もう自分には必要ない」と言っていたような……。
純士 「瓜田純士」という四字熟語は、「ぜんげんてっかい」と読みますから。
麗子 もうホント、毎日言ってることがコロコロ変わるんですよ(笑)。「タトゥーは卒業」と言った翌日に、新たなタトゥーを入れようとしたり……。
純士 卒業というのは、仮に新たなタトゥーを入れても、タトゥーは古いと思える自分でありたいっていう意味。だって居酒屋でトイレから戻ったときに、テーブルの上のお通しの皿が1個か2個増えてたとして、気付きます? 気付かないでしょう。僕のタトゥーも同じこと。今さら一個増えようが増えまいが、もはやどうでもいいことなんです。
――しかし、ここまでタトゥーまみれだと、日常のいろんな場面で苦労するのでは?
純士 日本では僕みたいなキワモノは無視されがちですが、海外では違いますよ。8月にヤマーンとマレーシアへ新婚旅行に出かけたんですが、そのときは空港を下りた瞬間から僕はハイパー人気者で、知らない外人が僕のもとへブワーッと殺到してきましたから。
麗子 マレーシアのどこへ行っても、終始、握手攻めや写真攻めに遭っていたよね。警官や空港職員の方からも記念撮影を求められたり。
純士 瓜田純士の名はマレーシアにも轟いていたのかと思いきや、そうじゃなくて、向こうはタトゥー先進国だから、僕のこういう見た目も好意的に受け止めてくれるんですよ。ただ、スター気取りで浮かれていたら、好事魔多しで、ヤマーンがパスポートを落としまして……。
麗子 落としたんちゃうで! スラれたんやで!
純士 どっちにせよ、困った話だという……。しかも、ちょうどパブリックホリデーに重なったもんだから、大使館などの公的機関がお休みで、パスポートの再発行に手間取って、あやうく帰りの飛行機に間に合わず、日本へ帰れなくなるところでした。
麗子 ああいうときの純士は、ホンマに頼りになるな。本来なら絶対に間に合わないような各種手続きも、この見た目と押しの強さで突破して、ことごとくなんとかしてしまうんですよ。
純士 閉まりかけのゲートに足を突っ込んで、人波を強引に押し分けて、片言の英語で「今日のフライトで帰らないとホテルもないしカネもないんだ!」と身ぶり手ぶりも交えつつアピールしてたら、パッションが伝わって、係の人が険しい顔をしながらもスタンプを押してくれたり。そしてこの奇抜な見た目ゆえか、現地の優しい人たちが次から次へと救いの手を差し伸べてくれたり、いかつい連中も道を空けてくれたりして、どうにかこうにか出国できました。キャラは身を助ける、と思いましたね。
麗子 ホンマやな。
純士 僕はああいうピンチに追い込まれると「できないことはない」というアドレナリンというか、瓜田パワーみたいなものが出てくるんですけど、一方のヤマーンは、不安のキャパを超えると「寝る」という必殺技を繰り出すんですよ(笑)。例えば、イミグレーションの受付終了時刻までにタクシーが間に合いそうにないっていう場面では、僕は「マイナスのことを考えるな、今日帰れるということだけ考えろ、俺を信じろ」と励まし続けていたんですが、全然反応がないから横を見たら、ヤマーンは寝息を立てていた。
麗子 (笑)
純士 ようやく空港入りしたあとも、「飛行機に乗るまで油断するな、ここで並んでジッとしてろ、無駄な動きをするな」と指示したのに、ふと目を離したら、ヤマーンはマッサージ店でマッサージを受けながら、気持ちよさそうに寝てるんです。あのときは殺意が芽生えました。
麗子 とかなんとか言いつつ、私の不安を取り除こうと、純士はあえて平気な顔して笑わせてくれたり、強気に振る舞ってくれたり、いろいろと気を使ってくれていたみたいですね。
純士 2人しかいないときに、どっちも不安になってたらダメだから。どっちかが強気じゃないと。
――非常にバランス良好でお似合いなご夫婦だと思いますが、そもそもお2人は、いつどこで知り合ったんですか?
純士 出会ったのは、今からちょうど1年くらい前ですかね。
麗子 去年の12月22日やね。
純士 そう、その日の晩に新宿二丁目の交差点で僕が佇んでいたら、いきなり背後からこの人がタックルしてきた。それが冗談抜きで、最初の出会いなんですよ。後ろから不良に殴られた経験は何度かあるけど、後ろから女にタックルされたのは初めて。タックルという名の逆ナンですね、あれは。
麗子 逆ナンちゃうわ! あの晩、私は、ゲイの男友達とレズの女友達と一緒に二丁目で飲んでいたんですけど、全然楽しくなくて。こんな無駄な時間を過ごしたくないと思って、その店から逃げ出して、違う店めがけてひとりで走ってる最中に、たまたま勢い余って、この人にぶつかってしまったんです。
――そんな少女漫画のワンシーンのような出会い方だったんですか。そのとき瓜田さんはなぜ、その交差点に佇んでいたんですか?
純士 先輩が経営する飲み屋で知り合ったばかりの、得体の知れないババァをエスコートしてる最中だったんですよ。「ちょっとお兄さん、ディスコ連れてって」と頼まれて、先輩の知人なので渋々エスコートしてたけど、どうしてもまきたかったので、コンビニの前で時間を稼ぎながら「早く消えろよ!」と思ってる最中に、いきなり背後からバーン! と彼女がぶつかってきた。いつもの僕なら振り向きざまに「おい、コラてめえ!」と怒鳴るところですが、それをやらずに「どこ行くの?」と優しく聞いたのはなぜか? ある人に言わせれば「見た目が好みじゃなかったら、ぶっ飛ばしてたんじゃないの?」とのことですが、その通り。心のどっかで「あれ? ちょっとイイかも」と思ったんですよ。
――麗子さんの第一声は?
麗子 酔っぱらってたからよく覚えてないんですが、「お兄さん、ロックしてる人?」みたいなことを聞いた記憶があります。ホンマにロッカーやと思ったんです。革ジャンやしタトゥー入ってるし。そのときは「瓜田純士」なんて全然知りませんでしたから。
純士 彼女は覚えてないと言い張るんですけど、あのとき僕のことを「カッコイイ」と言ったんですよ。
麗子 絶対言うてへん! 言うたとしても、タトゥーのことを言うたんちゃう?
純士 いや、酔って本音が出たんでしょうね(笑)。で、縁って面白いなと思うんですが、彼女が関西弁だったから、「お嬢ちゃん、西の子か?」と聞いたら、「そうやで」と言うから、「俺も西には友達多いぞ」などと、しばらくそこで立ち話をしてたんですよ。そしたらたまたま共通の知り合いの名前が出た。「ええ! なんで知ってるん?」と言うから、「知ってるもなにも、その人の名前をタトゥーで体に彫ってるよ」と言って、タトゥーを見せたんです。
麗子 あれにはホンマ、驚きました。
――すごい偶然ですね。それですぐさま意気投合したんですか?
純士 いや、お世話になってるその兄さんの元カノだったりする可能性もあるので、うかつに乗っかったりするのはマズいと思って、とりあえずその日は、次の店まで丁重に送り届けました。そこがレズバーだったから、あ、この子はレズなのかなと思いつつ、「始発になったら帰りなさいよ」と優しく言って、連絡先だけ交換してその日は別れた。その後、世話になってる人の元カノとかではなく、レズでもないとわかったので、連絡を取り合って交際が始まり、今に至るという感じですね。
――運命的な出会いといえそうですね。
純士 出会い方も共通の知人がいたのもできすぎだし、「ウチ、こんなに優しくされたの初めて(ハート)」なんて、「チャンプロード」の見出しみたいなメールも届いたりしたから、僕はしばらく、ハニートラップかと疑ってましたよ。
麗子 そんなメール、送ってないから! こんなに余計なことをペラペラしゃべる男って、ほかにいますか? 朝から晩までこの調子でずっとひとりでしゃべってるから、最初の頃は「この人と一緒にいてたら、自分がしゃべる暇なくて頭ボケるな」と思いましたよ。
純士 彼女も西ではよくしゃべる部類だったそうです。今はしゃべる暇がないというけど、その分、彼女は夜の営みのときに体で盛んに会話をしてくるんですよ。
麗子 ホンマ、ええ加減にしいや!(笑)
純士 まあでもホント、こうやって延々と「瓜田道」みたいな話を聞かされてる妻もよく耐えてるなと思いますけど、引きこもり生活は楽しいですよ。しかも、室内は最強ですから。
――室内は最強?
純士 はい。半グレに狙われようが、切り裂き魔やストーカーに狙われようが、自分の家から一歩も出ずに、買い込んだ食材に囲まれながら暮らしていれば、「てめえら俺のクビを取りたかったら、ノルマンディに上陸するくらいの覚悟で来いや!」と強気になれるんですよ。室内にいる限りはね(笑)。敵が本当に来たら? 110番すればOK。室内最強ですよ。
――しかし、家から出ず、おまけに携帯やネットも使わないとなると、世界へ進出するのは難しいのでは?
純士 なので、ヤマーンの携帯を借りて、ブログだけは続けてます。アメブロはしょせん、国内向けのものなので、Tumblrという海外のクリエーターともつながるブログを使って、「旅費もホテル代もお前らが全部持ってくれるなら、行ってやってもいいぜ」っていうスタンスで世界に向けて情報発信をしています。
――国内には、もう未練がない?
純士 清水健太郎さんとコンビを組んで、警察関係の仕事をしたいという思いはあります。健太郎さんが「覚せい剤やめますか? それとも失恋しますか?」というポスターのモデルになり、僕が「あなた、見られています」という防犯ポスターのモデルになるのが夢ですが、国内でのやり残しはそれくらい。今はハリウッドを視野に入れつつ、あるプロジェクトを着々と進めていますので、ご期待ください。
アウトローのカリスマ改め、インドアのカリスマとして、瓜田純士が世界へ羽ばたくその日が間もなく来るかもしれない。
(取材・文=岡林敬太)