6月中旬、累計発行部数3億2,000万部を突破して、世界で最も売れた漫画としてギネスに認定された『ONE PIECE』。韓国でも「News1」などのメディアにて、大きく報道された。
ただ、韓国版アニメ『ONE PIECE』は、日本版とは少し違う。作者である尾田栄一郎氏も了解済みと思われるが、さまざまな“手直し”が施されているのだ。
<画像はこちらから>
つまり「子どもに悪影響を与えるような、教育上好ましくないもの」に対して、韓国オリジナルの修正が加えられており、エロ、酒、暴力、タバコなどがその対象だ。
たとえば、麦わらの一味のナミの入浴シーンだ。煙がかってはいるが本来は全裸の設定場面、上半身が映し出されているシーンのはずが、水着あるいはタンクトップのようなものを着用していて、まるで温水プールのように見えるのだ。
また、手直しによって、キャラが崩壊しているケースも。同作には世界政府特別公認の「王下七武海」という屈強な海賊たちが登場するが、かつてその一人であったクロコダイルに対する修正は特にひどい。もともとクロコダイルは、お酒と葉巻を愛するダンディな男。
暴力表現に関しては、オリジナルにおいても尾田氏が子どものために配慮していると聞くが、それでも韓国ではまだ足りないらしい。ナミ(正確には分身)が敵キャラに上半身を数カ所にわたり串刺しにされるシーンがあるが、頭部をただつかんでいるようになっている。直接的な暴力描写だけでなく、登場人物たちの持つ武器も、本来ライフルのはずが水鉄砲、拳銃のはずがなぜかシャワーノズルになるなど、細かい不可思議な修正が入っているのだ。
韓国のエンタメ規制が厳しいことはよく知られているが、大人気アニメ『ONE PIECE』に対しても容赦はない。いくらストーリー自体をいじっていないとしても、これほどの大胆な修正は、世界観やキャラクター性に影響を及ぼすレベルではないだろうか。ただ、ここまでくると逆に笑えるので、オリジナルと比較して楽しむのもまたいいのかもしれない。
(文=梅田ナリフミ)