またもJリーグで“問題発言”が勃発している。先日行われたJ1リーグ・セカンドステージで、名古屋グランパスの田中マルクス闘莉王が清水エスパルスのオーストラリア人選手、デュークに「Fuck you」と言い、退場処分となったのだ。



 サッカーにおいて「Fuck you」という発言は、「他の競技者、その他の、競技に立ち会っている人々全員に対する侮辱に相当する」ために退場となる。しかし、闘莉王側にも言い分があるようで、「オレは『Here is Japan. Please respect! Is not Australia. respect!』と言ったんだ。そしたら、『Fuck you』って言ってきたから、『Fuck you, too』と言い返した。なのに、俺だけ退場なんて……」と、先に仕掛けてきたのはデュークだと弁明する。

 だが、サッカーにおいて報復行為は許されてない。さらにいえば、本当にデュークが「Fuck you」と言ったのかという疑問も残る。


 問題のシーンとなった53分を映像で見返すと、デュークが名古屋グランパスの矢野貴章にファウルをしたことが発端となる。主審に謝罪を促されたデュークは握手を求めるが、矢野が拒否。これに対し、デュークは“もういい”というジェスチャーをすると、闘莉王が詰め寄る。ここでデュークの口元が「Fuck」か「What’s」のように動き、闘莉王が「Fuck you」と返した。この闘莉王の発言時に主審が目の前にいたため、レッドカードとなった。実際に、デュークは「Fuck」と発言したのだろうか? 近くにいた矢野は、デュークが「Fuck」と言ったかどうかはわからないと明かしているが……。


「『ゴン中山&ザキヤマのキリトルTV』(テレビ朝日系)が読唇術で解析してくれるといいんですが……(笑)。ただ、闘莉王はレッドカードに相当するプレーが多すぎます。その半面、『○○はラフプレーばかり』『●●はすぐに手を使う』と相手選手のファウルには激高する。二枚舌なところもあるので、なんとも言えません。」(サッカーライター)

 闘莉王は退場回数が飛び抜けて多いわけではないが、ラフプレーは散見している。YouTubeで過去の試合を見直してみると、セットプレー時に相手選手に肘打ちを見舞うシーンは、少なくとも3回以上あった。これについて、先述のサッカーライターは「頭に血が上りやすい性格で、ゆえにジーコ元監督やザッケローニ元監督に、招集されなかった」と指摘する。
また、もともとは“マリーシア大国”のブラジル人であり、審判団から見えないところでの駆け引きは普通なのだろう。生活環境の違う日本人には真似できないマリーシアが、闘莉王には“過剰に”身についているのかもしれない。

 とはいえ、本来であれば、自身が「Fuck」と発言したことは謝罪した上で、「でも相手もFuckと言っていた。しっかりと調査してほしい」と言うべきだと思うが、「俺は悪くない」的なスタンスを取る闘莉王。この様子では、また何かしらの問題を起こしかねない。
(文=TV Journal編集部)