日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット88」が、大盛況のまま幕を下ろした。多くの愛好家たちが暑さに負けずに活動的になる姿は、もはや夏の風物詩である。

そんなコミケで毎回問題になるのが、偽札や偽硬貨問題だ。

 中でも、100円硬貨の代わりに韓国の100ウォン硬貨を混ぜるコイントリックには、毎回注意が促されている。100ウォン硬貨は大きさや重み、デザインまで100円硬貨とそっくり。“パクり”ともいえそうな見た目ながら、その価値は約10分の1しかないのだから、タチが悪い。間違えて100ウォン硬貨を受け取れば、およそ90円の損失だ。

 形や大きさを利用した韓国の硬貨詐欺といえば、一昔前にも500円硬貨と材質や大きさが酷似した500ウォン硬貨を使った詐欺が流行した。
こちらは、500円硬貨よりやや重い500ウォン硬貨の周りを削ったり、穴をあけたりすることで自動販売機を誤認させてお釣りを盗むという手口だった。
 
 しかし、なぜ今さら使い古された詐欺が再び注目を集めているのか? それは、ある日本人による「韓国人観光客の中に、100ウォン硬貨を混ぜて支払う人が急増している」というツイートが拡散されて、韓国国内でも大きな波紋を呼んだからだ。

 韓国ネットユーザーからは「韓国人として恥ずかしい」「よその国に行ってまでそんなことするなよ……」といったあきれる発言が目立つ。しかし、彼らが一個人のツイートに過剰反応したのは、韓国国内でも偽札事件が多発しているからだろう。

 最近でも、高校生3人が偽5万ウォン札を製造、不正利用したとして逮捕された。彼らはコンビニなどで偽5万ウォン札を計13回にかけて45枚使用したとみられており、未使用の100枚ほどを警察に押収されている。
その動機について「家出した1人の生活費を賄うためだった」と供述している。
 
 ちなみに3人は、5万ウォン札の偽造防止部分に銀色のマネキュアを塗って、両面コピーする手法で偽札を作ったのだが、これは昨年に韓国で大ヒットを記録した犯罪アクション映画『技術者たち』のワンシーンを模倣したそうだ。まだ製作会社からのコメントは出ていないが、実際に使える犯罪技術を公開してしまったことに、どういう対応を取るのかにも注目が集まっている。

 高校生3人にとどまらず、韓国銀行が8月5日に発表した「2015年上半期偽札発見の現状」によると、今年の上半期に発見された偽札は2,715枚。昨年下半期の2,602枚に比べて、4.3%増加したことが判明している。

 円安の影響を受けて、日本を訪ねる韓国人観光客が9カ月連続で増加中の昨今。
偽札や硬貨詐欺は、今後も多発するとの予測もある。普段から注意しないと、財布の中に100ウォン硬貨が紛れ込むなんて迷惑な事態に巻き込まれるかも?