「AVを見ないと寝られない。映像が頭から離れないんです……」

 これは思春期の男子高校生や、彼女のいない悶々とした成人男性の言葉ではない。

自身の裸をSNSでさらし、警察に補導された韓国の小学生たちの証言だ。先日韓国では、SNSに自身の裸などわいせつ画像を掲載した疑いで、43人の未成年者が摘発された。後に、そのうちの33人が小学生だったという事実が明らかにされ、韓国社会で大きな物議を醸した。事件が一段落した現在、その小学生たちの実態が、徐々に明らかになり始めている。

 小学生たちにまず共通していたのは、援助交際に見られるような対価は何も望まず、好奇心の赴くままに、裸や陰部を映した写真をSNSにアップしたり、見知らぬ人たちと交換していたという点だ。彼らのほとんどが、「君のを見せてくれたら、僕のを見せてあげるよ」という無邪気な感覚で、写真を見せ合っていたと証言したそうだ。

 また、SNSに画像をアップしたり、裸の写真を交換していた小学生の多くが、学校でイジメに遭っていたという共通点も明らかになった。「みんなから注目してもらえると思った」。補導された彼らは、そのように証言したという。現実社会ではなかなか認められず、嫌な思いばかり。一方、ネットに裸をさらせば注目を集めるし、チヤホヤしてもらえる。子どもたちは、満たされない心の隙間を埋めるために、自身の裸をネットにさらし続けた。


「小学生たち自身の心の問題もありますが、それだけではないような気がします。韓国では、テレビ番組が視聴率獲得のために下ネタを連発していますし、アイドルたちも露出競争を過激化させています。ネット上でも性に関する事柄があふれている。スマホなどに触れる機会が増えた子どもたちは、現代の社会的な雰囲気を確実に感じ取っているのだと思います」(韓国紙記者)

 そんな韓国で、1枚の小学生男子の写真が大爆笑を呼んでいる。写真から類推するに、おそらく小学校高学年と思われる彼は、自宅で撮影したであろう素っ裸の写真をFacebookにアップし、こうコメントした。

「彼女募集(先着順1人限定)」

 この写真を見た人々からは「wwwお前、まじで最高www」「将来絶対に大物になる」「この投稿は、もはや聖域だ」などのコメントが寄せられている。韓国ではモムチャン(ムキムキの体)写真を掲載して彼女を募集する成人男性や、半裸の写真を掲載して男性客を誘惑する風俗嬢や援助交際希望者がネット上にあふれている。彼は知ってか知らずか、そんな大人たちのまねをしたのだろう。自国の大人を皮肉る、壮大なパロディーである。

 相次ぐ小学生のスキャンダルに事態を重く見たのか、韓国政府も重い腰を上げた。ソウル地方警察庁は、米国と国際協約書を締結。児童ポルノなど、サイバー犯罪に関する捜査情報を共有するとしている。
今後、サイバーポルノや性の低年齢化の問題は、韓国社会の根深いイシューのひとつとなりそうである。
(取材・文=河鐘基)

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