突如炎上した“パチもん”ロールス・ロイス「市場価格は500万円」でも人気のワケ

突如炎上した“パチもん”ロールス・ロイス「市場価格は500万円」でも人気のワケ

 8月16日、上海市の路上に停まっていた車が突然炎上。間もなく駆けつけた消防隊によって火は消し止められたものの、残ったのは見るも無残な焼け焦げた車体。幸い、ケガ人はなかった。

 運転手の話によると、この車は結婚式に向かう途中で、走っているとエアコンの送風口から煙が出てきて、慌てて車を止めて降りたところ、しばらくして燃えはじめたのだという。

画像はこちら

 よく見るとこの車、ボンネットの部分に特徴がある。そう、車前方にあるラジエーターグリルがパルテノン神殿のようになった、世界最高級車のひとつ、ロールス・ロイスにそっくりだったのだ。しかも、通常よりも車体が長いストレッチ・リムジンで、新車ならおそらくウン千万円を超えるシロモノだ。

 しかし、ここは偽物大国の中国。当然のことながら、このロールス・ロイスも偽物だった。価格は20数万元、日本円にして500万円近くである。偽物にしてはかなり高い。ただこの偽ロールス・ロイスは意外と需要があり、結婚式の時に新郎新婦が乗る車として、見栄っ張りの成金たちにレンタルされることが多いのだという。

「現在の中国では、新郎新婦を乗せた車が後続車を連ねて街中をグルグルと結婚パレードをして回る、という習慣があります。特に田舎のほうが顕著ですね。その時に乗る車が高級車であればあるほど、メンツも立つというわけです」(上海在住の日本人ライター)

 日本だったらこっ恥ずかしくて、少なくとも大都市圏でそんなことをやる人は少ないが、そこはメンツが最重要な中国。いかに自分が豪気であるかを見せびらかさずにはいられないというわけか。

 ところで、このパチもんロールス・ロイス、偶然のイタズラなのか、事故の1カ月ほど前に、まったく同じものではないかと思われる車がネットの記事で紹介されていた。燃えてしまった後ではあるが、車体の色もボンネットの形もそっくりだ。

 記事で紹介されていたパチもんロールス・ロイスは、山東省青島市の自動車メーカーの国産SUV車を改造したもので、三菱製の4気筒2,400ccのエンジンを搭載(本物のロールス・ロイスは12気筒6,749ccエンジン)。価格は25万元(約500万円)だが、中古車なら交渉すれば5万元(約100万円)で買えるという。日本でもフェラーリやランボルギーニのレプリカが売られていることがあるが、中国車をロールス・ロイスに改造するとは、あまりにも畏れ多いといわざるを得ない。

「内陸部に行くと、安い中国車にBMVやレクサスのエンブレムだけ貼り付けたような車をまだまだ見かけます。フロントだけベンツ風やアウディ風のパーツに換装した車もけっこうある。本物は買えないけれど、路上では他車を威嚇したいという人民の心を反映しているんでしょうかね」(深セン市に住む日本人商社マン)

 結婚という人生における晴れの舞台でも、安い偽物に乗って喜んでいる人たち。もしかしたら、夫婦間の愛そのものも偽物なのかもしれない。
(取材・文=佐久間賢三)

あわせて読みたい

日刊サイゾーの記事をもっと見る 2015年8月26日の社会記事
この記事にコメントする

\ みんなに教えてあげよう! /

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

社会ニュースアクセスランキング

社会ランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

国内の人気のキーワード一覧

新着キーワード一覧

このカテゴリーについて

国内に起きた最新事件、社会問題などのニュースをお届け中。

通知(Web Push)について

Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら