欧米各国に“難民ラッシュ”の一方……北朝鮮の“難民船”が日本に来ないワケ

欧米各国に“難民ラッシュ”の一方……北朝鮮の“難民船”が日本に来ないワケ

 欧州各国にアフリカや中東から難民が押し寄せ、大きな国際問題となっている。難民といえば、一時期問題となった北朝鮮の脱北者。最近は難民船が日本に漂着することもなくなったが、理由を探ると、中国や韓国との国境線だけでなく、海岸線にも高圧電流の鉄柵が敷設されたという仰天情報が入ってきた。金正恩第1書記の時代になって文字通り鎖国が徹底され、不作で飢餓の危機が迫る北朝鮮の人民らは完全包囲されているらしい。

 韓国当局の統計によると、韓国に入国した脱北者は2002年に1,000人、06年に2,000人を突破した。その後、09年の2,914人をピークに減少傾向にあり、昨年は1,397人。今年は5月時点で535人となっている。
 
 脱北者が減少傾向にあるのは、正恩氏による国境管理の強化だ。

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 白頭山(ペクトゥサン)を挟んで東は豆満江(トゥマンガン)、西は鴨緑江(アムロクガン)が中国と北朝鮮の国境線となっている。中国在住の朝鮮族の50代女性は「もともと国境管理はユルく、実質的に行き来は自由だった」と証言する。

「中国側に住む朝鮮族の住民が豆満江を渡って北朝鮮側に入り、映画を見て帰ったこともある」(中国・吉林省延吉市に住む朝鮮族の事情通)といい、工業製品など足りない物は北朝鮮側に買いに行くこともあったという。

 現在も鉄道と車両が通過できる複数の国境橋が両国を結び、コンテナを積んだトラックや貨物列車が活発に行き交っている。きちんと入出国管理を経た貿易は動いているが、密入出国の取り締まりは正恩氏の指令でかなり厳しくなっているようだ。

 当初は中国側が鉄条網を設置し、川への侵入を禁止した。これに対抗して、北朝鮮側も鉄条網を設置。中国側は、さらに鉄条網を……と、結果的には2重3重の鉄条網が設置され、物理的に脱北が遮断されているという。

 最近は、北朝鮮側の国境警備隊詰め所の改築が進み、目立つように水色のペンキで塗装されているのが確認できる。「かつては、ある程度カネ(賄賂)を積めば川を渡らせてくれた国境警備隊も、正恩氏の命令で引き締められている」(前述の事情通)と、監視の目も厳重になっているようだ。

 また、「海岸線沿いにも電気柵が敷設された。元帥(正恩氏)は『海からの脱北も許すな』と命じた」とは、北朝鮮から中国にやってきた商売人の証言だ。漁業活動は許可された漁師のみで、欧州の難民船のように船に乗っての脱北はかなり厳しい状況らしい。背景には今年初旬から北朝鮮の漁船が遭難し、韓国の海洋警察に救出されるケースが続発。一部漁師が韓国に亡命を求めたという事象があるようだ。

 とにもかくにも難民船は来ていないが、北朝鮮は昨年から続く水不足で農業に大打撃を受けているという情報もある。拉致被害者の多くが北に閉じ込められたままの現状で、90年代の飢餓の再来が懸念される。
(文・写真=金正太郎)

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