連続テレビ小説『あさが来た』(NHK)の視聴率上昇が止まらない。11日放送の第38話は平均視聴率24.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と自己最高をマーク。

昨年の『マッサン』の最高視聴率25.0%に迫る勢いだ。視聴者からも好評で、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだが、今後の心配がないわけではないようで……。

 幕末から明治・大正時代を背景に、大阪有数の両替商に嫁いだヒロイン・今井あさが商売の才覚を発揮するというストーリー展開の同ドラマ。主演の波瑠や脚本の出来はもちろん、脇を固める玉木宏や近藤正臣など、キャストの演技が非常に安定しているのが人気の要因だろう。だが何より、理解ある両替屋(銀行)に嫁いで明るく時代を生きるあさ(波瑠)と、同じく両替屋の嫁になったが、無愛想な夫と意地悪な姑との関係に苦しんだ挙句、両替屋が潰れ百姓に身を落とす姉・おはつ(宮崎あおい)の“光と影”に対する評価が高い。

 フレッシュな波瑠がお茶の間の人気を集めているのは間違いないが、演技に関しては宮崎がはるかに上な模様。夫役の柄本佑とともに、ほぼ一度もNGを出さないらしく、キャリアと実績の違いを見せつけている感がある。彼女が視聴率UPに大きく貢献しているのは間違いない。

 ただ、この『あさが来た』は、広岡浅子という明治の女傑をモデルにした“史実”。ノンフィクションをそのまま貫くとなると、今後宮崎はさらに“暗い”状況に陥り、それがドラマの視聴率にも影響するのでは、と一部ではささやかれている。

「宮崎演じるおはつのモデルであり、史実では異母兄弟の三井春は、嫁いで7年後に27歳の若さで病死したとされます。事実をそのまま反映されるとすれば、宮崎は近いうちに『亡くなる』ということになります。
もし宮崎がいなくなるとなれば、『姉妹の対比』という同作の大きな評価ポイントを失うことになる。さらに主人公のあさは今後、実業家として銀行の設立や女子大学の設立と、国にインパクトを与えていくわけですが、スケールはもはや朝ドラではなく大河。朝に気楽に見られるドラマという領域を超えてしまうと、離れる視聴者も出てくるかも……」(芸能記者)

 史実そのままの中身になるのなら、宮崎はなんとも不幸なまま、画面から消えてしまうらしい。実生活の離婚やV6・岡田准一との不倫、最近も関係継続ながら結婚は厳しいという報道、8月には交通事故となにかと暗い話題ばかりが騒がれる宮崎だが、せめてドラマくらい明るくてもいいのに……と感じてしまう。憂いのある役柄は私生活の影響も大きいのか。

 いずれにせよ、宮崎という“柱”の1本がなくなるのは『あさが来た』にとっては痛い。果たして、脚本は史実の通りの内容になるのか、それともこの“対比”を保つ形になってしまうのか。この選択が、今後の視聴率に絡む可能性は大きいかもしれない。

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