15日、綾瀬はるか主演『わたしを離さないで』(TBS系)の第1話が放送された。共演に三浦春馬水川あさみを迎え、各メディアで「今期イチの注目作」とうたわれた本作だったが、初回視聴率はなんと6.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)という、言葉通りの“大爆死”に終わってしまった。



どれだけ大爆死かというと、あの“大股開き写真”で芸能界から姿を消した香里奈の復帰作にして、昨年秋に最もコケたとされる『結婚式の前日に』(同)の初回視聴率(7.7%)にすら及ばないほどである。こりゃマズいぞ。

 この『わたしを離さないで』は、日本生まれのイギリス人作家、カズオ・イシグロ氏が書いた長編小説が原作。近未来、「臓器提供」という特殊な使命をもって集められた少年たちの人生と成長を通して、「生きる」ことのn意味を問う作品である。筆者は原作をすでに読んでいるが、まごうことなき「大傑作」であり、イシグロ氏が世界であの村上春樹氏を超える評価を得ていることにも納得である。それなのに……。

 主演の綾瀬はるかは、昨年の映画『ギャラクシー街道』でヒロインを務めたが、その評価は散々なものだった。加えて三浦春馬も映画『進撃の巨人』が酷評のに終わっている。水川あさみもまた、主演をして突き抜けた数字を取れる女優ではない……。とまあ、ネット上では不安要素も多いと指摘されていたのだが、その予測どおりの数字になってしまった。

「作品、物語に対しての文句はネット上ではほとんどありません。人類普遍の問題に深く切り込む内容は、非常に見ごたえがあります。
しかし、この作品はあくまでも『イギリス』をイメージした舞台設定の、“静謐(せいひつ)”という言葉が似合う作品であり、日本人が日本を舞台に置き換えて演じるとどうしても『違和感』『陳腐さ』が出てしまうんです。外国人が侍のドラマをやれば違和感があるのと同じでしょう。さらに、主演の綾瀬はここ数年『コメディエンヌ』のイメージが染み付いてしまい、いきなりここまでシリアスなドラマをやられると、役がマッチしていないようにも……。第1話は三浦と水川の出番はほぼありませんでしたから、今後フォローできるかどうか、ですね」(芸能記者)

「ここまで重い内容、連続ドラマにするな」という意見も見られるなど、企画自体が間違っているという声もある。確かにそんな気もするが……。

 それにしても、6.2%という数字はさすがに「低すぎ」ではなかろうか。綾瀬はこれまで、少なくともドラマでは一定の視聴率を取り続けてきた。なぜ今回、ここまで数字が取れなかったのだろうか。

「同時間帯、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送された、宮崎駿監督の映画『天空の城ラピュタ』のせいでしょうね。『ラピュタ』は先週でテレビ放送15回目ながら、平均視聴率17.9%というテレビ界最強クラスの“オバケ”コンテンツ。ネット上でも『バルス』でサーバーをダウンさせるのが恒例となっているほど。『わたしを離さないで』にはさすがに分が悪かった。
ぶつけてくる日テレも容赦がないですね(笑)」(同)

 ちなみに、来週の同時間帯には、『ラピュタ』と同格の超人気ジブリ作品『魔女の宅急便』が放送される(本当に容赦がない)。『わたしを離さないで』としては辛い日々が続くが、せめて名作に泥を塗らない程度の視聴率を確保してほしいと、原作ファンとしては願ってしまう。

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