この季節、中国各地のプールは、あまりの混雑に、文字通り芋洗い状態となる。しかも今年は、さらにぞっとするような報告が相次いでいる。



「鳳凰網」(7月11日付)によると、6月、家族とともに地元のプールで遊泳した広西チワン族自治区の6歳の少女が、その直後に全身の皮膚が剥がれ落ちる症状に見舞われた。

 病院に駆け込んだところ、「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群」と診断されたという。肺炎や腎炎、敗血症などを併発しやすく、幼児の死亡率は3~4%の上る、危険な病気だ。医師は、プールの水が汚染されていたことが原因とみている。

 一方、「京華時報」によると、北京市の衛生監督所が市内各所のプールで水質調査を行ったところ、消毒のために使用されるカルキの濃度が、基準よりも低いケースが多々あることがわかった。

 容積1,000立方メートルのプールの場合、基準値を満たす量のカルキを毎日使用すると、日本円で月15万円ほどの費用がかかる。
これを節約するため、十分な量のカルキを投入していないプールが多いのだという。

 その半面、各プールで濃度が高かったのが、尿素の数値だったというから吐き気がする。冒頭の少女が泳いだプールも、同様に衛生管理がずさんだった可能性が高い。

 広東省在住の日本人男性(49歳)も、こう話す。

「中国のプールでは、水が八分目くらいしか入っていないことが多い。これは水道代をケチるため、水が外にあふれないようにしているんです。
日本の場合は水をろ過して循環させていますが、中国のプールでは汚れた水に漬かり続けることになる。しかも、プールに入る前にシャワーを浴びる習慣もありません。最も不気味なのが、プールは混雑していても、トイレがいつもガラガラなこと。みんな水の中で小便してしまうんです。うちのマンションにもプールがついていますが、泳ごうとは思わないですね」

 これでは、便器の中で泳いでいるようなものである……。