22日にフジテレビ系の土曜プレミアムで放送された、松下奈緒主演のスペシャルドラマ『特命指揮官 郷間彩香』の平均視聴率が、6.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことがわかった。
共演陣は、稲垣吾郎、鈴木亮平、高嶋政伸、大友康平、真剣佑、神田正輝、竹中直人、内田裕也らで、豪華キャストが集結したが、数字にはつながらなかったようだ。
民放他局の主な裏番組の視聴率は、放送時間が一部重なったTBS系の『SMBC日本シリーズ第1戦 広島対日本ハム』が18.5%、『世界ふしぎ発見!』が8.3%。日本テレビ系『ラストコップ』が8.0%、『嵐にしやがれ』が11.4%。テレビ朝日系の土曜ワイド劇場『おかしな刑事』が10.0%。テレビ東京系『出没!アド街ック天国』が9.1%で、『郷間彩香』は同時間帯で民放ビリだった。
同ドラマの原作は、2013年の「第12回このミステリーがすごい!」大賞を受賞した梶永正史氏のミステリー小説『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』(宝島社)。
主人公・郷間(松下)は、普段は女子力が高く、普通のOLにしか見えないが、若くして、警視庁捜査二課知能犯第二係の主任警部補に抜擢され、数々の難事件を解決してきた切れ者という役柄。今作は、新世界ファイナンスに人質を取って立てこもった犯人・國井哲也(稲垣)が、交渉及び現場指揮役に、なぜか郷間を指名。犯人の要求は、政界のドンといわれる与党・救民党の元代表・伊藤重太郎(内田裕也)との直接会談で、郷間と國井が対峙する姿を描いた。
松下は、石原さとみとのW主演だった『ディア・シスター』(14年10月期/フジテレビ系)こそ全話平均11.3%と及第点だったが、その後に主演したドラマは惨敗続きだ。
今年2月から3月にNHK総合で放送された特集ドラマ『恋の三陸 列車コンで行こう!』(全3話)は2~3%台しか取れず。4月期にはトレードマークであった自慢のロングヘアーをバッサリ切り、初のコミカルな役に挑んだ連ドラ『早子先生、結婚するって本当ですか?』(フジテレビ系)は5.6%と、これまた惨敗。9月30日に放送されたスペシャルドラマ『往復書簡~十五年後の補習』(TBS系)も7.6%に終わった。
「『郷間彩香』は、キャストは豪華だったのに、たいして宣伝がされなかったため、同情すべき側面もあります。そもそも松下自体、潜在視聴率が高いとは言いがたいのです。過去に主演した連ドラも、なんとか10%に乗せていた程度です。元来、演技力より、ルックス重視で勝負してきたタイプ。その松下も三十路を過ぎ、そろそろ転換期ともいえるでしょう。昨年は音楽活動に重きを置き、女優業が控えめだったため、視聴者に忘れられてしまった感もありそうです。主役へのこだわりを捨てれば、まだまだ需要はあるのでは?」(芸能ライター)
視聴率的には、主役としては限界が見えてきてしまった松下。今後はヒロイン、脇役として存在価値を高めたほうが賢明なのかもしれない。
(文=田中七男)