横浜地裁は12日、女性8人を襲ったとして強姦致傷などの罪に問われた元サッカーJ2選手の神村奨被告に、求刑通り懲役30年の判決を言い渡した。「同種の事案と比べても極めて悪質な犯行」と片山隆夫裁判長。
判決確定なら、27歳の被告が塀の中から出てくるのは50代。人生の半分が刑務所暮らしとなるわけだ。この話を横で聞いていた20代のファン女性は「プロ入りする前から大好きだったので、自分のことのようにつらい」と泣き崩れた。
女性は、ファンレターで神村被告に真剣交際を申し込んだことがあるほどの熱狂的ファン。それだけに、現在でも有罪が信じられないという。
「彼には4年ぐらい前、ドーピング疑惑があったので、その副作用じゃないかと思ってます。奨クンと親しくしていたシンガポール人のチームメイトがドーピング疑惑で追放されたことがあって『神村もやっていたのに』って言ったんですが、そのシンガポール人は精神を病んでレイプ未遂事件を起こしてるんです。私は奨クンのドーピングなんて信じていませんが、もしかしたらそのせいかなって……」(女性ファン)
ドーピングの乱用による精神錯乱は有名な副作用だが、今回のレイプ事件は常習性、計画性も感じられるもので、仮に神村被告がなんらかの禁止薬物をやっていたとしても、その影響による犯行とは思えず、裁判の過程でもそんな話は出ていなかった。
神村被告は昨年3月、相模原市内のマンションに侵入し、寝ていた女子大生の顔を殴って縛り上げ、タオルで目隠しをした上で「殺すぞ」と脅しながら性的暴行を加え、その様子を撮影していたとされる。ほかでもひとり暮らしの女性ばかりを狙った同様の事件が続発しており、今年4月に逮捕された神村被告は、09年から昨年まで神奈川県、埼玉県での計8件の犯行で起訴された。
11年に水戸ホーリーホックに入団しプロ入りした神村被告は、シンガポールやインドで活動後、13年にFC町田ゼルビアに移籍。逮捕当時は東京都の社会人リーグで活動していた。イケメンで女性にモテそうな風貌だが、実際には美少女アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の曲を会場BGMに流すほどの美少女アニメ好きで、「そういうDVDもよく見ていた」と元チームメイト。
「性嗜好そのものは異常ですが、性格は内向的だったのかも……。仲間同士で一緒に風俗店に行こうとなったときも、神村は『そういうの苦手』と行かなかったから“むっつりスケベ”な印象はあった。ドーピングのウワサはまったく聞かなかった」(同)
ただ、今回の判決を聞き、この選手は「神村のことが残念だとか嘆く以前に、被害者女性がかわいそうすぎて……同情できない。二度と社会に出てこなくていいと思う」と突き放した。現時点では、神村被告が控訴するかどうかは伝わってきていない。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)