有料放送局・WOWOWが1月、6歳の天才子役・稲垣来泉をドラマの撮影のため未明まで働かせていたとして、1日付でお詫び文を発表した。

 問題の撮影が行われていたのは、女優・黒島結菜が主演を務める5月放送予定の連続ドラマ『東京すみっこごはん』。

同社は、稲垣が1月20日正午から翌日午前2時まで、および同月21日正午から翌日午前5時まで、「撮影現場や付近の待機場所にいたことは事実」と認め、その理由を「撮影スケジュールに遅れが生じたため、現場の判断でこのような事態に至りました」説明。

 労基法で、13歳未満の年少者が午後8時から午前5時まで就労することは禁じられており、同社は「今後二度とこのような事態が生じないよう、徹底した対応を取る所存です」とし、子役とその保護者に謝罪している。

 なお、この謝罪は、同日に「文春オンライン」に掲載された記事「WOWOWドラマで天才子役が号泣した徹夜の“違法撮影”」を受けたもの。

 この問題を詳細に伝えた2日発売の「週刊文春」(文藝春秋)によれば、スタジオの隅で寝ながら待機していた稲垣は、撮影のために深夜3時に叩き起こされた挙げ句、監督のダメ出しが続き、4、50回ほど撮り直しに。前日も深夜2時まで撮影に参加していた稲垣は、限界に達し泣き出したという。

「この4月から小学校に通う稲垣は、連ドラ『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS系)で主演の菅野美穂の娘役を演じた売れっ子。
『東京すみっこごはん』は、NHK出身の三島有紀子監督と、映画『海猿』シリーズを手掛けた森井輝プロデューサーがタッグを組んだ意欲作。しかし、この2人を含む現場スタッフ全員が労基法を無視していたわけですから、制作体制に相当問題がありそう」(テレビ誌記者)

 三島監督は、制作発表時に「時間的にも厳しい現状があります。もしかしたら自分では力不足かもしれません。ですが、スタッフ・キャストと、少しでも高みを目指し、心に残る力強い作品に作り上げたいと思います」とスケジュールへの不安を吐露。

 さらに、同作で伝えたいことの一つとして、「お互いの尊厳を守る」ということを挙げ、「(登場人物は)お互いの個人の尊厳を守ります。きちんと相手を尊重して関わる、そんな関係をしっかりと描きたいと思いました」とコメントしている。


「どうやらWOWOWは、最初から制作会社側に過酷な制作スケジュールを押し付けていたようです。しかし、出演者の“尊厳”すら守られていなかったのですから、視聴者も興ざめでしょう。成田名璃子氏による原作は“名作”と名高いだけに、原作ファンもがっかりでしょうね」(同)

 昨今、力を入れている本格派ドラマが、視聴者から評判のWOWOW。しかし、その裏には、ブラックな実情があったようだ。