9月28日に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)で、往年のキャラクター・保毛尾田保毛男が復活。同性愛者を揶揄する表現に抗議が寄せられた。
当日の『みなおか』は、30周年記念の特番だった。番組にはビートたけしやタモリが登場し、かつて人気を集めた石橋扮する保毛尾田も復活。しかし、LGBTへの理解が社会的に求められる中、「ホモ」という単語が放送で幾度も流れ、明らかに同性愛を揶揄する内容に怒りの声が上がり、同局の宮内正喜社長が陳謝する事態となった。今回の騒動について、あるテレビ関係者が語る。
「フジがあの内容のものを、このご時世に放送したことには、本当に驚きました。番組の制作現場では今、『何が面白いのか?』と同じぐらい『その表現に問題はないか』ということに心を砕いています。視聴者から批判の声が殺到した場合、『差別する意図はなかった』などという言い訳は許されません。『だからテレビがつまらない』という批判があるのは承知していますが、トラブルで番組が終わってしまったら、責任者は『無能なヤツ』と評価される。決して誰も『タブーに果敢に挑戦した、勇気ある番組制作者』とは見てくれません」
ケガ、暴力、差別、「イジメにつながらないか」など、考えることは多岐にわたるという。最近では、こんな例もあったそうだ。
「お笑いコンビのカミナリがダウンタウンの番組で明かしましたが、NHKに出演した際に、彼らの持ち芸である“激しく叩くツッコミ”を禁じられたそうです。
さらに、少しでも表現に問題があった場合、テレビ局には5秒後に電話がかかってくるそうで、「どう考えても、テレビ局の電話番号を登録しているとしか思えません」と関係者。
いまや伝統芸と化した志村けんの老人コントが(ちなみに「老人」という言葉も、番組によっては「お年寄り」に変えるよう指導されるとのこと)、封印される可能性は十分にありそうだ。