俳優、浅野忠信の父親で、所属事務所「アノレ」の社長、佐藤幸久容疑者が、覚せい剤取締法違反(使用)容疑で逮捕されたが、その人物像はメディアによって異なっている。

 スポーツ報知では、現場によく顔を出す「腰の低い人」と報じられ、スポーツニッポンでは「温厚だけれど硬派な男」と伝えられたが、東京スポーツでは、夜中まで遊び回っている「かなりファンキーな人物」とされている。



 さらに、容疑者が独立する前の1990年代、俳優・石倉三郎のマネジャーを務めていたときに接したテレビ関係者は、「不思議に態度のデカい人だった」と話しているのだ。

「態度の大きな事務所スタッフというのもいますけど、その頃の石倉さんクラスの俳優のマネジャーでそういう人はあまりいなかったので、周囲もみんな『なんであんなに態度が大きいんだ』と言っていたんですよ」(同)

 昨年、69歳にして映画初主演した石倉は“名脇役”で知られる俳優。もとは大部屋俳優だったところ、80年代、レオナルド熊と「コント・レオナルド」でコメディアンとしてブレイク。古い仲のビートたけしに誘われ『風雲!たけし城』(TBS系)などのバラエティ番組にも出ていたが、次第に俳優業が主体になった。前出テレビ関係者の接した90年代前半は、石倉の俳優としての起用が増え始めた頃で、「まだその立場を確立する過程の時期」(同)だったという。

「それだけに、マネジャーが偉そうだったというのは異質なことでした。共演者が、当時人気絶頂の若い俳優、美人女優のほか、元アイドル俳優もいて、彼らがあくまで主役。石倉さんは彼らより先輩でも、視聴率に貢献できるタイプじゃなかったので、そういう立ち位置だと、俳優本人が現場で先輩格として気を使われていたら、その分スタッフは低姿勢であるべきなんです。それなのに佐藤さんは『俺の分のお茶が出てない!』とか『弁当が安っぽくてまずい!』とか、自分の待遇の不満を大声で言う始末で、ハッキリ言って評判悪かったですよ」(同)

 このとき、石倉を取材した古い芸能記者に聞いても、「確かに態度の大きなマネジャーだった」と同じ印象を口にしている。

「状況によってキャラがコロコロ変わるところがあったようなので、態度が大きかったり腰が低かったり、一方で陽気に遊んだりというのは、もしかすると全部真実で、本人が意図して使い分けていたのかもしれませんね。もっとも、薬物をやっていたのなら、その影響でおかしくなっていた可能性もありますけどね。だって、佐藤さんは酒をほとんど飲めない人だったはず。
そんな人が夜、遊び歩いているって変ですよね」(同)

 石倉のマネジャーを務めた後の佐藤容疑者は、独立して事務所を立ち上げ、息子の浅野ほか、加瀬新井浩文三浦貴大ら人気俳優も所属する有力プロに成長させているのだから、その手腕は高そうだが、11月30日にまさかの逮捕。

 当日深夜、渋谷区道玄坂の人通りの少ない路上で、ド派手なスタジャン姿でいたところを挙動不審に思われ、警察官に職務質問された際、覚せい剤吸引用のガラスパイプを所持していたことが発覚。そのまま任意の尿検査で陽性反応が出たため逮捕された。当人は「自分で使った」と容疑を認めたという。

 息子・浅野の仕事に影響は見られないが、事務所社長の立場から考えれば、今後に不安が残る話。浅野自身も、公式サイトに「家族として何か寂しい思いをさせてしまっていたのかな、と思うと今後はより支えあって多くの時間を父とともに過ごしたいと考えています」と、父の更生サポートに時間を割くことを明かしている。

 ちょっと気になる怪情報は、佐藤容疑者と親しかったある芸能関係のマーケティング会社の美人役員の女性が、春ごろに突如退職。その理由が「薬物で逮捕されたからだった」というウワサがあること。

 佐藤容疑者が逮捕された今回の事件との関連性は今のところ浮上していないが、交友関係が広かった芸能プロ社長の事件だけに、薬物の入手ルートなど、その“つながり”が探られるだろう。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

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