静岡の兄(24歳・無職)が何かと話題の広瀬すず主演『anone(あのね)』(日本テレビ系)。初回は9.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とまずまずの滑り出しでしたが、17日放送の第2話は7.2%まで急落。

同枠前クールの綾瀬はるか主演『奥様は、取り扱い注意』が全話2ケタだったことを思い返すと、なかなか厳しい現状といわざるを得ません。

 初回では、欅坂46平手友梨奈ばりに前髪で目元を隠している主人公・ハリカ(広瀬)の衝撃の過去が描かれましたが、物語はどの方向へ向かっていくのでしょうか? 第2話のあらすじを振り返ります。

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田中裕子の悲壮感が最高

 1年前に亡くなった夫・京介(木場勝己)が作っていた偽札を自宅の床下から発見し、なぜかわざわざ人に目撃されそうな海辺で燃やした亜乃音(田中裕子)。亜乃音は15年前に娘の玲(江口のりこ)が失踪して以来、どんよりとしたテンションで生きています。

 一方、広瀬の兄同様に無職となったハリカ(広瀬)は、あの大金が偽札であると気付き、亜乃音の自宅へ。京介が生前、印刷所を営んでいたここで働き、偽札を作りたいと志願。「お金使った後なら、刑務所入っていいの」と覚悟を見せます。

 また、勝手に床下を覗いたハリカが、京介のデジカメを発見。そこには、京介と玲のツーショット写真が満載。亜乃音は、2人が隠れて会っていたことにショックを受けます。

 娘に会いたい亜乃音は、とりあえずハリカと共にデジカメに写っているラーメン屋へ。どうやら玲は常連客だったようで、居合わせた客から「(玲は)県道沿いのガソリンスタンドで働いてるよ!」との情報が。

また、玲は離婚して、息子を連れて地元に戻ってきたものの、「お母さんと反りが合わないから戻りたくない」のだとか。

■なぜ海へ……?

 その晩、ハリカは亜乃音の家に泊まることに。すると亜乃音は、玲は京介の浮気相手が産んだ子であると告白。0歳から自分の子として育てたものの、あるとき玲の前に本当の母親が現れて以来、親子関係が悪化したといいます。

 そうこうしていると、印刷機にセットされたままの偽札の版を発見してしまう亜乃音。「印刷してみようか」と機械を稼動させると、あっという間に大量の1万円札が印刷されていきます。しかし、“透かし”なども再現された京介が作った偽札に比べると、雲泥の差。亜乃音は「わかった? コレが限界なの」とハリカに偽札作りを諦めさせ、2人で1,500万円分ほどの偽札を台所で燃やします。って、床下で見つけた偽札は450万円分くらいだったはず。同じように家の中で処分できたんじゃ……。

 一方、持本(阿部サダヲ)は、父から継いだカレー屋を、3年前に同級生・西海(川瀬陽太)の口車にまんまと乗せられフランチャイズ化。揚げ句、西海が勤める本社に乗っ取られそう。

しかし、店舗譲与の契約書にハンコを押そうとしているところに、カレー屋で堂々と焼きうどんを頼んだりするヤベー女性・るい子(小林聡美)が登場。るい子が契約書をビリビリに破ると、2人は川へ。楽しそうに小銭を投げ捨てる遊びをし、ドキドキします。なお、ドラマ資料によれば、2人は“死に場所を探している”という設定のようです。

 前回、亜乃音が偽札を燃やしている現場を目撃した2人は、亜乃音が闇金を隠していると踏んで元印刷所へ侵入。しかし、それらしいものは何も見つからず、諦めて帰ろうとしたところで買い物から戻ってきたハリカと鉢合わせ。捕まえようと追いかけたハリカは、持本の車で誘拐されてしまいました。

 その後、亜乃音が仕事から帰宅。荒らされた自宅に唖然とし、第2話は終了です。

■視聴率は期待できない

 終盤では拳銃も飛び出し、予期せぬ方向へ動き出した同作。亜乃音の不幸話ばかりがつらつらと描かれるのかと思いきや、痛快活劇のようになってきました。この、予想のつかないなんでもありの展開は、『カルテット』とも共通。

とはいえ、作風が独特すぎるだけに、視聴率は期待できなさそうです。

 今回は、るり子が「この世界には裏メニューっていうのがあるんです」「裏メニューのほうがおいしいんですよ」と、“裏金”を“裏メニュー”に置き換えて話したシーンや、100円玉を川にポイポイ投げ入れて、持本が「ドキドキして気持ちいい」と喜ぶシーンが『anone』ファンの間で話題となっているようですが、筆者はもともとわざとらしい“演劇臭”が苦手だからか、小林と阿部の掛け合いにアレルギー反応が……。痒い痒い。

 まあ、好みの問題でしょうが、田中の自然なふんわり演技でドラマに入り込んでいるところに、急に小林と阿部がテンション高めでウィットに富んだ小粋なセリフをぶっ込んでくるため、思わず「入ってくんなよ!」と……。テンションのまるで異なるキャラクターたちを絡ませるところに、制作側の狙いがあるのでしょうが、これは視聴者を選びそう。好きな人は、「名言連発!」「セリフが心に響く!」と騒いでるんでしょうけどね……。

 というわけで、『カルテット』同様、「見続けている視聴者は賞賛!」「ピンと来ない人は見ない!」という二極化が起きていそうな『anone』。視聴率至上主義と言われる最近の日テレとしては、かなり攻めたドラマかと。とりあえず、初回で芦田愛菜の生き写しのような演技を見せた子役・大迫莉榎(ハリカの幼少期役)が、またあの“ソックリ演技”を見せてくれることを期待しつつ、次回を待ちたいと思います。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

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