金メダリスト伊調馨に対するパワハラ問題で、その鈍い対応が批判された日本レスリング協会だが、そのトップの福田富昭会長が、山口組の元最高幹部の故・大石誉夫氏と“黒い交際”を続けていたと「週刊文春」(文藝春秋)が伝えている。
「福田会長は、かなり人脈の広い人物。
福田会長は60年代に世界選手権を制した伝説の元レスラーで、日本で女子レスリングをスタートさせた功労者だ。協会の役員になってからは、その顔の広さを生かしてプロレス団体と協力関係を結ぶなど、レスリング普及にダイナミックな方針を打ち出してきた。
JOCの名誉委員となったことで、スポーツ界全体への影響力も大きい。ただ、“黒い交際”に関しては以前から取り沙汰されてきたことで、5年前に起きた民事裁判でも、提出された陳述書に大石氏との関係を示すものがあって、それこそ文春がほじくり返すまでもなく、周知の事実だった。
大石氏は、福田会長も旧知の仲だったと見られる3代目山口組組長の田岡一雄のもとで、ゼネコンや芸能界に強い影響力を発揮した大物。文春の記事では、福田会長とリゾート施設やホテルなどの売買交渉をする仲だったとも書かれている。前述のレスリング関係者によると「ヤクザとの密会には、大物女性タレントのディナーショーがよく使われていた」という。
「ある大物女優が年に数回、開催しているディナーショーには、福田会長が『大ファンだ』と言ってよく出席していたんですが、実は目当てはその女優ではなく、格闘技イベントの運営者Sと、これを放送するテレビプロデューサーに会うためだったんです。そこに一枚噛んでいたのが、別のヤクザ関係者ですよ。というのも、Sは以前、ヤクザとの親交を週刊誌に報じられ、団体ごと消滅させてしまった経験があるんです。
実際、Sが新たに始めた格闘技イベントのスタート時、福田会長は協力者として記者会見にまで同席しており、その後は元レスリングの有力選手が続々とプロ転向で出場している。その交流がリング上のことだけなら問題ないが、文春に改めて報じられた黒い交際が事実であれば、その周辺にも危機感を抱かせる話だろう。
「文春の報道は、福田会長より、その格闘技イベントの連中と、これを放送するテレビ側の人間の方が肝を冷やしているんじゃないかと見る人も少なくないですよ」とレスリング関係者。
パワハラの当人、栄和人氏は伊調に「よく俺の前でレスリングができるな」と言ったらしいが、これなど、まさにヤクザ的な物言いだ。
(文=藤堂香貴/NEWSIDER Tokyo)