お昼の番組の視聴率争いにおいて、昨年まで6年連続で同時間帯の視聴率首位を守ってきた、TBS系の情報番組『ひるおび!』(月~金曜、10時25分~13時55分)の立場が危うくなってきた。
同番組はホンジャマカ・恵俊彰と江藤愛アナが司会を務め、国際弁護士の八代英輝がメインパーソナリティーとして出演。
この方針が功を奏し、昨年の年間(1月~12月)平均視聴率は、午後の部(午前11時55分~午後1時55分)が7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、6年連続同時間帯のトップ。午前の部(11時~11時54分)と午後の部を合わせた平均視聴率も6.3%で、こちらも6年連続で同時間帯トップを取っている、
また、昨年度(4月~今年3月)の平均視聴率においても、午後の部が7.1%で6年連続首位。午前の部と午後の部を合わせた平均も6.3%で、こちらは“7年連続”で首位をキープしている。
しかし、その『ひるおび!』帝国に崩壊の危機が迫ってきたのだ。敵は、同番組のライバルだったはずの日本テレビ系『ヒルナンデス!』(月~金曜、11時55分~13時55分)ではなく、フジテレビ系『バイキング』(月~金曜、11時55分~13時50分)なのだ。
『バイキング』は、6月第2週(同11~15日)の週間平均視聴率が5.9%、同第3週(同18~22日)の平均が6.2%をマーク。2週連続で、『ひるおび!』を抜いて、民放横並びトップに輝いたのだ。1週だけなら、「たまたま企画がよかったから」ともいえそうだが、2週連続となると、その力もホンモノだ。
『バイキング』では、同15日放送回で、急死した“紀州のドン・ファン”こと野崎幸助さんの55歳年下妻のインタビューをオンエアし、7.6%の高視聴率を獲得。そのほか、6月第2・3週で、18日・19・22日も、民放の同時間帯トップに立った。
「『バイキング』は、言うまでもなく、長寿番組『笑っていいとも!』の後を受け、14年4月1日にスタートしました。
ドン・ファンの55歳年下妻に対し、世間の関心は極めて高いはずだが、その素性について、ほかの局の情報番組は探ろうともしない。そんな中、内容はともかく、インタビューを試みた『バイキング』の企画力が、視聴率上昇に結びついたのは確かのようだ。
「サッカーW杯が始まってから、『ひるおび!』は、TBSで1次リーグの日本戦の中継予定もないのに、毎日ほとんどサッカー一色。さすがに、これではサッカーに興味のない視聴者は、チャンネルを替えてしまいます。特に帯番組は、視聴習慣に多分に左右されます、この機に、『バイキング』を見て、『おもしろい』と思った人は、もう『ひるおび!』に戻らないかもしれません」(同)
『ひるおび!』の制作スタッフは、2週続けて『バイキング』に負けたことを厳粛に受け止めるべきだろう。そうでなければ、6年間キープしてきた視聴率トップの座から、滑り落ちかねない。
(文=田中七男)