2人組女性アイドルユニットのバニラビーンズが、10月での解散を発表した。

「バニラビーンズと言われても、一般的な知名度はあまりないかもしれませんが、アイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL』に2010年の初開催から毎年出演するなど、アイドルヲタ界隈ではよく知られた存在です。

昨年にはデビュー10周年を迎え、ベストアルバムを発表し、全国ツアーも行っていただけに、ここに来ての解散は、ファンにとっては少なからずショックでしょうね」(アイドル誌編集者)

 バニラビーンズは07年に、1stシングル「U ♡ Me」(徳間ジャパン)でデビュー。レナとリカの2人組でスタートしたものの、翌年にはリカが脱退し、新メンバーとしてリサが加入して現在に至っている。

「バニラビーンズは、いろんな意味で異例のアイドルでした。レナが身長166cmで、リサが173cmと2人ともスレンダーなモデル体型で、ルックスも可愛いというよりは美人系。一流クリエーターを起用した楽曲はスウェディッシュポップの影響を受けており、アイドルらしからぬ凝ったスタイリッシュな音楽性。2人のトークスキルも非常に高く、従来のアイドルにはない特徴がウリでした。
一方で、10年のサッカーW杯南アフリカ大会では、日本の対戦国だったデンマークを応援してみたり、CDを購入したファンに握手ではなく、ビンタを浴びせる『ビンタ会』など、意味不明なプロモーション活動でも知られています。こうした斜め上を行く存在感で、カルト的な人気を誇っていましたが、モデル的なビジュアルやオシャレなイメージは本来、アイドルヲタにはアピールしないもの。結局は大ブレークには至りませんでした」(同)

 昨今は「アイドル戦国時代」などと空前のアイドルブームと言われていたが、バニラビーンズのみならず、今年に入って大手事務所に所属する中堅アイドルグループの解散が相次いでいる。すでに解散したアイドルネッサンスやGEM、Cheeky Parade、チャオ ベッラ チンクエッティのほか、9月にはPASSPO☆、ベボガ!、ベイビーレイズJAPANが解散する。

「ブームとはいえ、人気を席巻しているのは、48グループや坂道シリーズ。彼女たちの前では、グループアイドルの老舗ともいえるハロプロ系ですら苦戦していますからね。
その他のグループはもっと厳しかったはず。バニラビーンズも解散に当たって、順風満帆な活動ではなかったと振り返っているぐらいです。やはり、華やかなブームとは裏腹に、先の見えない活動に心が折れてしまうアイドルも少なくないのでしょう。しかも、最近は48グループですら、早期にグループを卒業して、芸能界から引退するメンバーも多いですからね。結局、ブームといっても、その恩恵を受けるのは限られたごく少数だけ」(同)

 バニラビーンズの解散は、アイドル戦国時代の“終わりの始まり”なのかもしれない。