窪田正孝が“働かないことに全力を尽くす”ヒモ男・翔ちゃんを熱演中のドラマ『ヒモメン』(テレビ朝日系)。ワンパターンのストーリー展開に飽きを感じる視聴者も多い中、25日放送の第5話に新たなるヒモ男が現れ、ダメンズ好きの女性たちを大いに沸かせていたようです。
ということで、今週もあらすじから振り返っていきたいと思います。
(前回までのレビューはこちらから)
■元ヒモVS現役ヒモ
そこそこ高そうなレストランで食事をする翔ちゃん(窪田)とゆり子(川口春奈)。ヒモ男にお金なんてあるはずもなく、ゆり子がいつものごとく財布から諭吉を取り出したところに、コワモテのいかつい男がやってきます。借金取りであるその男・豊川稔(音尾琢真)は、ゆり子が翔ちゃんを養うために、1,000万円の借金をつくっていたと言い、借金のかたに、ゆり子を連れ去ろうとします。
ゆり子なしでは(物理的に)生きていけない翔ちゃんは「ゆり子に手を出すな!」と、どこぞのヒーローばりに止めにかかりますが、豊川はそんな彼をゆり子の代わりに働かせるため、倉庫へ拉致するのでした。
何やら物騒な展開ですが、実は豊川はゆり子の先輩ナース・聡子(佐藤仁美)の彼氏で、元ヒモ。なんでも、自分の経験を活かして「ヒモ更生プログラム」を編み出し起業したというのです。ゆり子は聡子にお願いして、豊川の力を借りて翔ちゃんを働かせようと“脱ヒモ作戦”を決行したのです。
しかし、翔ちゃんは慣れない重労働に、たった一日働いただけで弱音を吐きます。そうして翌日、ゆり子に片思い中の医師・池目先生(勝地涼)の罠にまんまとかかって仕事を休み、その次の日は逃走をはかりますが、待ち構えていた豊川によって、今度は倉庫ではなく、「ヒモのヒモによるヒモのためのヒモ講座」というセミナー会場へ連れて行かれてしまいます。
そこで“ヒモのカリスマ”として演説をすることになった翔ちゃん、参加者のヒモたちからの悩みに得意げに答えていきます。セミナー終了後、翔ちゃんは豊川から報酬として3万円をもらい思わず涙を流して喜び、豊川は「体は正直だな。本当はお前はずっと働きたかったんだ」と優しく言葉をかけます。
ゆり子の“脱ヒモ作戦”は無事成功したかのように思えますが、豊川によれば、脱ヒモには「自分の稼いだ金を誰かのために使うことができるか」という最大の壁があるといいます。つまり、交際を認めさせるためにも、姉・桜子(片瀬那奈)の昇進祝いとして食事をご馳走してあげてほしい、というゆり子の願いをかなえることができるかにかかっているそうです。
そうしてやってきた、姉ちゃんとのランチ当日。自分で伝票を持って会計を済ませようとする翔ちゃんに、ゆり子も桜子お姉ちゃんもにんまり。が、お金を払う前にトイレに行った翔ちゃんは、またしてもゆり子と別れさせたい池目先生の妨害に遭い、商店街で1回500円の福引をやっているという情報を聞かなかったことにはできず、「どうしてもこのお金でやらなきゃならない事ができたんだ!」と、会計を任せてお店を飛び出そうとします。
その後、少し離れた席から様子を見守っていた豊川に、自分の彼氏を「何の役にも立たないゴミ同然の人間」「クズ!」呼ばわりされたゆり子が逆ギレ。ゆり子&翔ちゃん、聡子&豊川の2組のカップルの間になんやかんやあって、あきれた桜子お姉ちゃんが会計を済ませたため、結局翔ちゃんはお金を払わず終い。しかも、翔ちゃんに感化された豊川が、ヒモに戻るというまさかのオチを迎えます。「ヒモは死ななきゃ直らない」という桜子お姉ちゃんのセリフがすべてを物語った結末となりました。
ちなみに、翔ちゃんが報酬を得て涙したのは、豊川がたまねぎのみじん切りをして刺激成分を発生させ、それをエアコンの風にのせて送り無理やり泣かせたからでした。働くことの大切さを知ったわけではなく、結局今回も脱ヒモならずです。■ヒモな音尾琢真に萌える人続出
前回のレビューでも書きましたが、結局、最後はゆり子がヒモな翔ちゃんを許すという展開がテンプレとなっているので、マンネリ化は否めないところ。
オチにすべてを持っていかれた感の強い今話ですが、何と言っても、豊川役を演じた音尾琢真さんが、強烈な存在感を放っていました。昨年10月期放送の『陸王』(TBS系)での鬼監督役のイメージが強い音尾さん。今回も坊主頭にヒゲ、コワモテにスーツという“いかにも”ないでたちで翔ちゃんを更正させるべくスパルタ指導にあたっていました。怒鳴り散らす姿と、そんな音尾さんに怯える窪田くんは、まるで大型犬のドーベルマンとチワワの子犬のようでした(ドーベルマンって本当は優しくて甘えん坊な犬だったりするんですけど)。
……かと思えば、Tシャツ×短パンにサンダルというヒモスタイルで病院にやってきて、翔ちゃんと仲良くハモリながら「1,000円ちょうだい!」と聡子に甘える姿は、まさにギャップ萌え。
ネット上でも、「破壊力半端ない」「豊川稔くんサイコー~~~!!!! めちゃくちゃかわいい~~~!!」「音尾さんを養わせてください」と視聴者大興奮。中には、「豊川稔ショックがすさまじい」「このままレギュラー出演しないかな」という声も。渋かっこいい大人なヒモ男の出現は、物語に大きなアクセントを与えたようです。
ちなみに、音尾さんは、来週火曜放送の『健康で文化的な最低限の生活』(フジテレビ系)に、アル中の役で出演するそうです。ヒモからアル中へのジョブチェンジってすごい……。
■佐藤仁美の気持ちいい叫び
また、そんな音尾さんが扮する元ヒモで脱ヒモに成功した豊川が現役のヒモ・翔ちゃんを見下すレストランのシーンで、「人を見下すより、見下されているあなたの方が好き!」と名言を放ち、
「本当は私……、ヒモが大好きなのーーーっ!!」
「私は、ヒモが、大好きーーっ!!」
と絶叫してみせた彼女・聡子役の佐藤仁美さんのぶっとんだ演技もなかなか愉快でした。
ということは、これまで翔ちゃんのせいで散々な目に遭ってきたゆり子も、その可能性は大いにあるわけで……。ドラマが始まった当初、ゆり子はヒモ彼氏の存在を恥じて隠していましたが、聡子という強力な味方がいるせいでブレはじめ、もはやヒモであることを受け入れつつある状況。ヒモを“更生”させるどころか、“養成”しちゃってます。
しかもラストでは、これまでやることなすことすべてが裏目に出てしまっていた池目先生の頑張り(?)もあって、ついには病院中に翔ちゃんがヒモであることが知れ渡ってしまいました。脱ヒモを遂げるには、翔ちゃんというよりゆり子に懸かっているのだと思いますし、これを機に、もっと必死になってほしいところです。まぁ、無理なんでしょうけど。
これまでゆり子を助けるために奮闘してきた翔ちゃん(まあ、その種は自分で蒔いていたわけですが)が、次回、まさかの浮気発覚!? 今回ヒモセミナーで、単に女好きなヒモ男に、「彼女の事を愛していないのか!? 恥を知れ 恥を!」とブチ切れるなど、ゆり子に一途なところだけが唯一の取り柄である翔ちゃん、もし浮気が本当だったら本当にタダのクズ男になってしまいますが……。今夜の放送を楽しみに待ちたいと思います。
(文=どらまっ子TAROちゃん)