『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』#32「決闘を申し込む」
朝加圭一郎/パトレン1号(結木滉星)に快盗たちへの協力を求めるため、高尾ノエル/エックス(元木聖也)が決闘を挑む。
身体に5つの金庫を持つ改造ギャングラー怪人にボロ負けしてしまったパトレンジャー。
一気に5個のルパン・コレクションを手に入れるチャンスということでルパンレンジャーも戦いを挑むが、普通にやっても金庫を開くことができず。
どうやら5つの金庫を同時に解錠しなければならないようだ。
ルパレンの3人にノエルを加えても4人。
コグレさん(温水洋一)に手伝ってもらうのはさすがにムチャだし、改造ギャングラーは「グッドストライカー」の力を相殺するコレクション能力を持っているため、ルパンレッドが分身するという手も使えない。
このあたり、上手いこと設定されている。
……ということで、パトレンジャーに協力を頼むしかないという結論に。しかし、どう考えても一筋縄ではいかない。
そこで、ノエルが提案したのは圭一郎との決闘。
ノエルが勝ったら圭一郎がルパレンたちに協力する、圭一郎が勝ったら、快盗&ノエルが自首するという条件(ノエルが自首するという状態が何なのかワケ分からないが)。
快盗側からするとかなりリスキーな条件だ。
早見初美花/ルパンイエロー(工藤遥)は、ルパンレンジャーたちに協力することへ一番抵抗感を持っている圭一郎ではなく、陽川咲也/パトレン2号(横山涼)か明神つかさ/パトレン3号(奥山かずさ)に頼んだ方が……と提案するが、夜野魁利/ルパンレッド(伊藤あさひ)は「オレも頼むんなら圭ちゃんだと思う」と答える。
確かにつかさは、以前も快盗との共闘を自ら提案しているから、納得できる理由さえ提示できれば協力してもらえる可能性はあるし、咲也はバカだから言いくるめるのも楽そう。
しかし結局のところ、圭一郎を納得させることができていないと、つかさ、咲也が協力しようとしたところで、邪魔が入ることは明白。
魁利の意見は、二人旅回で圭一郎に慕っていた兄との共通点を見つけたことから、心的距離が縮まっているという理由もあるだろうが、合理的に考えてもやはり圭一郎を説得するしかない。
だからこそルパレンたちも、自分たちの首を賭けるというという、リスキーなノエルの提案に乗っかったのだろう。
……それにしても決闘って。
もうちょいスマートな方法はなかったのか、そもそも日本の法律には「決闘罪」っちゅうものがあるのに、頭の固い警察官である圭一郎がそれに乗っかっちゃっていいのか……などなど、ツッコミどころは満載だ。●いつになく熱いノエル炸裂!
自らリスクを背負って決闘を申し込む。
これまでのノエルだったら、確実に勝てる仕掛けを事前に仕込んでおくなど、クレバーな方法で圭一郎の協力を取り付けていたんじゃないかと思われるが、今回の決闘は思いっきりガチンコ。
「どっちが正しいのか、ふたりにも分からないから決闘するんだろう」
と、つかさが語っていたが、ノエルは快盗と警察両方の顔を持つという自分への葛藤を振り切るため、そして信頼を勝ち取ろうという本気が垣間見えるというものだ。
「警察と快盗が両立できるわけない!」
という圭一郎に対し、
「できるできないじゃない、やらなくちゃいけないんだ」
「ルパンコレクションを取り返し、大事な人を取り返す。そしてギャングラーを排除して平和な未来を実現する!」
いつになく熱いノエル。
快盗たちの方法論には反発しつつも、なぜそこまでしてコレクションを集めることに固執しているのか、ずっと気にしていた圭一郎は、快盗&ノエルの「大事な人を取り返す」という目的を知ったことにより、協力を決心する。
明らかにノエルに勝てる局面で、わざと勝ちを譲るというもの、これまでの圭一郎では考えられなかった行動だろう。
快盗&ノエルに協力すると決めた後も、ツンデレな態度を崩さない圭一郎もまたタマラナかった。
ルパンレッドから、金庫を開くためのダイヤルファイターを渡され、「オレが押収すると思わないのか」とうそぶくが、ルパンレッドは「おまわりさん、そいう卑怯なことしないでしょ」と返す。
こういう、頭は固いけど信用できる男感こそ朝加圭一郎!
その言葉の通り、金庫を開けてコレクションを回収した後は、ちゃんとダイヤルファイターをルパンレッドに返却していた。……目は合わせなかったけど。
久々の両戦隊合体による「グッドクルカイザーVSX」戦でも、ルパンレッドとハモって「一気に決めるか!」と言ってしまい、照れまくっていた圭一郎。
既に、深いところで心は通じ合っているのに、まだまだ素直には認められない。
そういうところだぞ、圭ちゃん!
さて、次回はルパンレンジャーの3人が幼児化。
パトレンの性別入れ換え。宵町透真/ルパンブルー(濱正悟)と咲也によるレオタードでエアロビクスに続き、ショタ&ロリ化とは……またもや二次創作がはかどりそうなネタだ。
幼児化後のキャストも、微妙に似た感じの子を揃えていて、かわいらしい。
つかさ先輩が「かわいい~っ!」と悶えてしまうのも分かるぞ。
(絵と文=北村ヂン)