昨年、世間を騒がせた「神戸アニメストリート」の騒動を覚えているだろうか。神戸市長田区の再開発ビルに2015年に開業した「神戸アニメストリート」の運営会社である株式会社神戸アニメストリートが、売上金の踏み倒しを重ねた揚げ句に、昨年6月末で閉鎖した事件である。
この事件をめぐっては、株式会社神戸アニメストリート社長の岸建介氏が支払いを求める業者に対して「払えねえもんは払えねえ」「うるせえ」などの暴言を繰り返していたこと。さらに、2008年に、架空の音楽オーディションをでっちあげ、500万円を詐取して逮捕されている人物であることや、アニメ会社ガイナックスが、関西支部として立ち上げた新会社「GAINAX WEST」の取締役であったことなどが次々と明らかになり、注目を集めた。
さらにこうした人物と企業を選定した神戸市は、当初から疑惑に対して「真偽のほどはわからない」と責任逃れのセリフを連発。そもそも神戸市による公募した<アスタくにづか地区商業活性化モデル事業者>に応募し、岸を連れてきた株式会社アップ・ツー・コーポレーションは「開業を以って当社の業務は完了している」などと、関係者が次々と逃亡する事態となった。
この踏み倒しを、大手マスコミも報道するようになると岸氏は態度を一変。突如、神戸アニメストリートが公式サイト上に謝罪文を発表し、これまで暴言を吐き連絡にも応じなかった債権者に対して、分割で支払う旨をメールで連絡してきたのである。
それから1年余りが過ぎて、どうなったのか。
「あれから、ぜーんぜんです。一度も支払われていませんよ」
そう話すのは、阿佐ヶ谷アニメストリートを運営する作戦本部株式会社の鴨志田由貴氏だ。昨年の記事をおさらいするが、鴨志田氏は、踏み倒しの被害者の一人。
鴨志田氏の証言によれば2014年夏に、岸氏は渋谷かおり氏なる女性(踏み倒された業者からの支払いの督促の電話に「電話して来て迷惑だ」と怒鳴ったとされ、当初より岸氏との関係性がどういうものかと注目されていた人物)と共にアポなしで訪れ「神戸アニメストリートというのをつくるのでアドバイスが欲しい」と申し出てきた。この時は、突然の訪問であったために鴨志田氏は「何かあれば……」と述べた程度だったが、その後、岸氏は「レンタルボックスに置くグッズやスタッフが欲しい」という発注をしてきて、鴨志田氏はビジネスとして応じたが、その代金は踏み倒されたままだ。
その鴨志田氏から寄せられた最新の動向が、岸氏と渋谷氏の結婚である。昨年、騒動を経てネットからは自身の情報を消していた岸氏だが、いつの間にかFacebookも復活。そこに次のような書き込みをしている。
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私事で恐縮ですがこの度 渋谷 かおりさん と結婚致しましたことをご報告いたします
今後は二人で力を合わせて暖かい家庭を作っていければと思っております
皆様にはたくさんのご配慮を頂戴し心より感謝申し上げます
これからも変わらぬお付き合いの程よろしくお願い致します
2018年9月27日
岸 建介
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同じ書き込みは、渋谷氏のFacebookページにもあり、結婚は事実の様子。なお、岸氏の現在の職業は「Cafe&Bar DINGO master」となっている。
グルメ系サイトを見ると、この店は「【JR 元町駅 徒歩1分】落ち着いた雰囲気の中、お肉料理が堪能できるカフェ&バー」。レビュー系の書き込みには「ボリューム満点」だとか、ランチタイムは「階段の上まで大行列」などの記述も。
これからは、夫婦で弁済に励んでほしいものである。
(文=特別取材班)