漫才日本一を決める『M-1グランプリ2018』(テレビ朝日系)の準決勝進出25組が発表された。優勝候補の「和牛」「ミキ」「かまいたち」「スーパーマラドーナ」などが順当に勝ち進んだ一方で、過去に決勝進出経験がある「相席スタート」「さや香」「スリムクラブ」や、手のホープとして期待されている「四千頭身」などが敗退した。



「準決勝進出のメンツは、ちょっと意外でした。決勝に上がりそうなメンバーと、まだまだ無名な若手が混ざっているという印象。ただ、ちょっと気になるのが、大阪よしもとの若手が多いなあということです」(お笑い事務所関係者)

 準決勝進出25組の所属事務所を見てみると、よしもとクリエイティブ・エージェンシーが20組、ケイダッシュステージが1組、タイタンが1組、マセキ芸能社が1組、ザ・森東が1組、グレープカンパニーが1組と、実に8割が吉本なのだ。また、よしもと所属の20組のうち、11組が大阪本社所属で9組が東京所属となっている。

「東京よしもと組も大阪からの上京組が多くて、基本的には大阪の漫才師ばかりの準決勝となっています。もともとM-1は大阪よしもとが軸となって出来上がったものなので当然なのですが、ちょっと偏りすぎているように思えます」(同)

 今回の準々決勝の審査について、ある放送作家はこう分析している。


「15組くらいは決勝に進む可能性がある実力派のコンビで、ほかの10組は将来的に化けるかもしれない個性的なコンビが選ばれたという感じです。その個性的な10組については、“ボケが挙動不審”というタイプのコンビが多くて、なんとなく“審査員の趣味”が反映されているような気も。なんというか、準決勝に進出させるべき15組はほぼ決まっていて、それ以外の10組を審査員が好きに選んだという……。そういう意味では、今回の準決勝はちょっと“出来レース感”が否めないですね」

 大阪よしもと色が強い今回の『M-1』について、反発する東京の芸人も少なくないようだ。

「人力舎や太田プロ、ナベプロ、ホリプロコムなどの東京のお笑い系事務所は“いなかったことにされている”ような大会になってしまっています。もちろん実力が足りていないということもありますが、似たような大阪よしもとの若手を何組も選ぶなら、東京の生きのいい若手にチャンスを与えるべきなのでは? という声も聞こえてくる。
さらに、東京芸人の間では、“大阪よしもとの大会になってしまうのであれば、もうM-1には出る必要はない”という空気も流れ始めています」(同)

 以前から、審査基準が不明瞭だと指摘されることが多かったが、今回もまた納得できないという関係者が多そう。もしも、このような状態が続くのであれば、お笑い界における『M-1』の位置づけも変化していくかもしれない。