14日に発表された『NHK白歌合戦』の出場歌手に、3人組音楽ユニット・いきものがかりが選出され、疑問の声が相次いでいる。同ユニットは1年10カ月に及ぶ活動休止期間を経て、3日に活動を再開したばかり。

今年に限っては活動実績がないだけに、出場資格がないと批判されても仕方のないところだろう。

「いきものがかりは明るく健全なイメージが強く、NHKとの親和性が高い。同局としても、ぜひとも紅白に出場してもらいたかったのでしょう。彼らはこれまで紅白に9回出場しているし、朝の連続テレビ小説ゲゲゲの女房』の主題歌やロンドン五輪・パラリンピックの同局のテーマソングを担当するなど、NHKへの貢献度も高いですからね。2017年1月に活動休止を発表した際には、『ニュースウオッチ9』が番組冒頭のトップニュースとして扱い、4分11秒にわたって報じたことが話題になったほど」(音楽ライター)

 では、いきものがかりがもっと早い時期に活動を再開して、それなりに活動実績を積んでいれば、妥当性のある選出になったのかというと、事はそう単純ではない。

「活動再開後、下手にシングル曲やアルバムをリリースしてヒットしなかったら、紅白出場を逃していた可能性もありました。
というのも、いきものがかりに、かつてほどの人気はないからです。活動休止の前年にリリースされた直近のシングルは音楽チャートで20位止まりだったし、当時から人気低迷の兆しが見えていました。休止の理由も、音楽的な行き詰まりがささやかれていましたからね」(同)

 休止期間中は各メンバーが単独活動で現状打開を図ろうとするも、10月に発売されたボーカルの吉岡聖恵の初ソロアルバム『うたいろ』も話題にならずじまい。活動再開はメンバーのソロ活動がうまくいかなかったからだ、と言われている。

「もちろん活動を再開しただけでは、かつての人気を取り戻すことはできないことは、彼らだって百も承知。しかし、紅白のステージで復帰のお披露目ができれば、人気復活の芽も出てくるかもしれません。
そして、その勢いを東京五輪につなげていきたいと考えているはず。ロンドンに続き、東京五輪でもテーマソングを担当できれば、楽曲が大ヒットするのは確実ですからね」(同)

 とらぬ狸の皮算用と言えなくもないが、まずは試金石となるのが、来る紅白の出場歌手別視聴率の数字だろう。