第160回芥川賞の選考会が1月16日に行われたが、ノミネートで注目が集まっていた社会学者の古市憲寿は落選した。
情報番組の『とくダネ!』や『ワイドナショー』(共にフジテレビ系)などで辛口コメントを残し、たびたび炎上騒ぎを起こしてきた古市。
「ノミネートされた小説『平成くん、さようなら』は、“安楽死が合法になった日本”を描いた作品で、現代的な生活を送る“平成くん”が、平成の終わりとともに安楽死したいと願うというストーリーです」(文学関係者)
古市はこれまで評論は数多く発表してきたが、初めて小説を発表したのは昨年4月のこと。2作目の小説で芥川賞にノミネートされたのは間違いなく快挙だが、出版関係者によれば、芥川賞はその役割を終えつつあるという。
「芥川賞といえば、直木賞と並び、『文学界で最も権威ある賞』といわれていますが、受賞者がそれで食べていけたのは、はるか昔のことです。文学はとにかく不人気で、大手出版社から発行される純文学誌の売り上げは数千部。芥川賞に関しては、受賞者が多すぎるという批判もあります。芥川賞は年2回発表されますが、ここ数年“W受賞”するケースが多く、2015年には4人の芥川賞受賞者が誕生していて、粗製乱造という声は少なくありません。今や芥川賞の権威は完全に失墜していて、出版関係者にとっては『本屋大賞』の方がよほど重要です」(出版関係者)
今風に言えば“オワコン”だという芥川賞。それでも小説を書く者にとって憧れの賞なのは間違いないが、今回の古市のノミネートをめぐっては、こんなことがささやかれていたという。
「芥川賞の関係者にとって、忘れられないのが又吉(直樹)の成功です。お笑い芸人が芥川賞を受賞したことには賛否両論ありましたが、結果として大きな話題となり、又吉の小説も大ベストセラーになりました。
古市は落選が伝えられると、自身のツイッターで「がーーーーーん」とつぶやいたが、これは照れ隠しだったのか、はたまた本音だったのか。芥川賞関係者のゲスなやり方には、毒舌キャラも口をつぐまざるを得なかったようだ。