二匹目のどじょうは、そうそういないということだろうか。テレビ朝日のもくろみが、もろくも崩れ去ってしまったようだ。

 

 17日(日)、同局が午後6時30分から特番『所有者不明!!解決!空き家バスターズ2』(ABC制作)を2時間半枠でオンエアしたが、視聴率は9.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と振るわず、2ケタに乗せることはできなかった。

 言うまでもなく、同枠では『ナニコレ珍百景』『ポツンと一軒家』を放送している。昨年10月からレギュラー番組に昇格した、ABC制作の『一軒家』は15%前後をはじき出す大ヒットとなり、直近の10日放送分は15.2%をマークしている。同月より2年半ぶりにレギュラーに復活した『珍百景』もコンスタントに2ケタを記録するなど好調で、3日放送分は13.6%をマークした。

 人気の両番組を休止してまで『空き家バスターズ』を放送したからには、テレ朝、ABCには“ある狙い”があったようだ。

 ABCでは、過去に制作した『大改造!!劇的ビフォーアフター』がヒットし、2016年11月までレギュラー番組としてオンエアされた。
そして、同局制作の“家シリーズ”第2弾となった『一軒家』が予想を上回る高視聴率を挙げたことで、“家シリーズ”第3弾の『空き家バスターズ』を放送するに至った模様。

 同番組は昨年9月の土曜夕方に初めて放送され、今回2回目にしてゴールデン帯に初進出。番組内容は、日本各地で起こっている所有者不明の空き家問題に真っ向から取り組み、解決策を導き出していくもので、俳優の平泉成オアシズ大久保佳代子サンドウィッチマン伊達みきお、千鳥・ノブヒロド歩美アナが出演した。

「現在、絶好調の『一軒家』も、ぶっちゃけ、いずれネタ切れやマンネリに陥るのが目に見えていますから、今回のように休止して、特番を流すときの“後番組候補”が必要です。それが『空き家バスターズ』だったのですが、2ケタ取れずに惨敗しました。しかも、ふだん1ケタしか取れていない、裏の『坂上&指原のつぶれない店』スペシャル(TBS系)が10.3%まで上げて、これにも負けてしまいました。
当然、いつもテレ朝を見ている視聴者が、TBSに流れた可能性も高く、今回の編成は大失敗といえるでしょうね」(テレビ誌関係者)

 結果的に、「なぜ人気番組をわざわざ休止したの?」といった事態になってしまったが、新しい番組を育てることも必要。テレ朝、ABCの期待を背負った『空き家バスターズ』は今後、人気番組へと進化するだろうか?

(文=田中七男)